掃除のプロが指南! フローリングの溝の黒い汚れ、どうしたらキレイにできる?
フローリングを掃除していると、溝にごみが入り、時間が経過すると黒く汚れることがあります。どのようにすれば、黒い汚れをうまく掃除できるのでしょうか。
自宅の床がフローリングの場合、掃除機やフローリングワイパーで掃除をするのが一般的ですが、厄介なのはフローリングの溝にごみが入ってしまうことです。掃除機で吸い出そうとしても、なかなか吸い出すのが難しく、時間が経過すると溝が黒く汚れてしまうこともあります。どのようにすれば、フローリングの溝の黒い汚れをうまく掃除できるのでしょうか。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。
溝に沿って掃除機がけ
Q.ある程度の時間が経過すると、フローリングの溝のごみが黒くなってしまいます。なぜ、黒くなるのですか。
有賀さん「普段からフローリング掃除をしていて、表面はきれいにできても、その溝にはさまざまな汚れが入り込んでしまいます。例えば、細かなほこりや砂ぼこり、髪やペットの毛、衣服などの繊維かすです。
そうした汚れがフローリングの溝に蓄積してしまったり、空気中の水分やモップ掛けをしたとき、汚れが水分を含み溝にくっついてしまったりして、私たちの目に黒く見えるようになるのが原因です。
フローリングに水滴が落ちてそのままにしておくと、ほこりなどの汚れがくっついて乾くと黒いシミのように見える経験をされた人も多いと思いますが、溝でも同じことが起きているというイメージです」
Q.フローリングの溝に入ったごみを掃除するのは、どれくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。
有賀さん「フローリングを掃除するとき、一緒に毎回、溝も掃除できるのが理想的です。しかし、溝掃除のための掃除道具を毎回持ち出してきて、ごみをかき出すというのも細かい作業で手間がかかり、なかなか現実的ではないと思います。
普段の掃除では、フローリングの目に沿ってゆっくりと掃除機をかけ、気になる溝汚れがあるところは、掃除機の隙間ノズルで吸い取れば十分です。しっかり溝を掃除したい場合は、大掃除やワックスの塗り替えなど、フローリングのメンテナンスをするときに一緒に、年に1~2回ほどを目安にして、溝まで掃除ができるとよいと思います」
Q.溝を掃除した方がよいと判断できる基準はありますか。
有賀さん「各家庭の汚れ具合や、フローリングの仕様によっても変わってくると思いますが、溝の黒さがライン状になって結構目立つと感じたときに、溝掃除をお勧めします。特に、窓辺のフローリングで結露ができやすい場所は、カビが発生する可能性もあります。カビで素材を傷めないように溝の汚れや水分までしっかり拭き取れるといいですね。水や飲み物をこぼしてしまったときも同様です。
また、赤ちゃんなど小さな子どもがいる場合は、ハイハイしたり直接フローリングに手足をついたりすることも多いでしょうから、神経質になり過ぎず、ある程度きれいな状態が保てているように目配りしましょう」
Q.どのようにすれば、フローリングの溝の黒い汚れをうまく掃除できますか。
有賀さん「溝掃除を始める際、いきなり水拭きの雑巾などを使わず、まずは乾いた状態で溝の汚れをかき出すようにします。掃除機のブラシ付きノズルや、使い古した歯ブラシなどを使い溝に沿って汚れをかき出していきます。
それでも黒い汚れが取れない場合は、溝に張り付いている汚れなので、水でぬらした綿棒や、掃除用ウエットシートの上から、つまようじなど溝にフィットするもので溝をなぞるようにして、汚れを落としていきます。力を入れ過ぎると、溝に傷がついたり深くなったりして、さらに汚れが入り込みやすくなるので、力加減に気を付けましょう。
皮脂汚れや調理で跳ねた油が多い場合は、水拭きでも汚れが落ちにくい場合があります。その時は中性洗剤を含ませ、水拭きと同様に掃除してみてください。拭き掃除をした後は、しっかり乾かしましょう」
Q.溝からごみをかき出すのは、地道な作業のように思います。面倒くさがりの人のために、楽に溝の掃除を行う方法があれば教えてください。
有賀さん「普段の掃除の手順がポイントです。フローリングの掃除は、掃除機やドライシートを使い、乾いた状態でほこりなどの汚れを取り除いた後で、しっかり水分を絞った雑巾で水拭きを行うようにします。掃除機やフローリングワイパーをかけるときにも、フローリングの目に沿って、ゆっくりかけていきます。溝に入り込んだゴミも効率よく取り除きやすくなります。
フローリングワイパーも、部屋の隅にきたときにそのまま次の列にUターンさせると、シートについた汚れが溝に落ちて黒くなりやすいです。隅にたどり着いたら、一度ワイパーを持ち上げて前面が常に同じ方向を向くように回転させてから、そっとワイパーを置いて掃除機同様にかけていきます。
この手順を守るだけでも溝が黒くなってしまうまでの期間をずいぶん長く保てるかと思います。フローリングワイパーのシートは、溝まで届く厚手のモコモコしたタイプがお勧めです。
また、溝の黒ずみ掃除をできるだけしなくて済む対策としては、マットやラグを敷いてしまうのが一番簡単です。特に、溝が汚れやすい場所、例えば、キッチンではキッチンマットを、小さな子どもがいて食べこぼしが気になるようなら、ダイニングテーブルのスペースにラグやカーペットを敷きましょう」
(オトナンサー編集部)
コメント