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収入は親の年金のみ、でもサプリ等に月6万円…52歳ひきこもり妹を案ずる姉の思い

覚悟を決めた姉

 相談者の妹は現在52歳。両親は80代で高齢です。妹もそろそろ、厳しい現実を受け入れなければならない時期に差しかかっています。姉には「妹の出費の改善は難しいかもしれない」ということを伝えた上で、次のような提案をしてみました。

・現在から、両親亡き後のお金の見通しを家族で共有する
・買い物などを一気にやめさせようと、家族から圧力をかけない
・妹本人に「本当に必要なものだけを買う」「代用できる物はないのか」といったことを考えてもらう
・月に数千円でも浪費を改善できたら、家族に報告してもらい、喜びを分かち合う

 さらに、筆者は次のようなことも話しました。

「もし、妹さんが『お金を使い過ぎている』という自覚があっても、自分で出費をコントロールすることができないようでしたら、医療機関を受診したり、カウンセリングを受けたりすることも検討してみてください。『心とお金は密接に結びついている』ともいわれていますので、心が不安定だと出費の改善も難しいと思われるからです。

妹さんが受診を拒否してしまうことも十分に考えられますが、そこは、ご家族が時間をかけて説得するしかないかと。何はともあれ、まずはご家族で将来のお金の見通しを共有してみてください」

 医療機関を受診するかもしれないといった話も出たため、姉は少し驚いた様子を見せました。しばらく考え込んだ後、姉は覚悟を決めたような表情を見せました。

「分かりました。妹もこれからのお金の心配はしているようなので、話し合いには応じてくれると思います。その後の対応は、妹の出方を見てから決めます」

 家族会議で使用する資料は筆者が作成することを約束し、その日の面談は終了しました。面談から数カ月がたった頃、姉から報告がありました。

「作成していただいた資料をもとに家族で話し合ってみました。妹も『このままではいけない』と以前から思っていたみたいです。でも、きっかけがつかめずについ、限度を超えて買い物などを続けていたようです。お金の見通しを共有した直後は妹もショックを受けていましたが、今は買う物とその金額をメモで残すようにし、少しずつ調整しています。『最終的には月1万~2万円くらいに収まるようにしたい』と家族に宣言してくれました」

 改善の兆しがあったようで、筆者もホッと胸をなで下ろしました。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

【表】ひきこもりの子どもが浪費するとき、家族が取るべき対応リスト

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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