納豆50グラム→40グラムに反応 発熱でも電気節約のどケチ夫に愛想を尽かした35歳女性
言葉の暴力に耐えた1年間
橋野里美さん(38歳、仮名)は離婚して1年になります。元夫の岡村雅尚さん(38歳、仮名)に出会ったのは、36歳のときに参加した婚活パーティーでした。
「実は35歳から36歳までの1年間、4歳下の男性とお付き合いをしていたんです。同じ会社の人でした。週末は私の家に泊まりに来るようなお付き合いだったので、私は結婚できるものだと思っていたんです。でも、結婚話が全く出てこなかったので、36歳の誕生日を過ぎたときに意を決して、『私と結婚する気はあるの?』と聞いたんです。そうしたら、『今は、結婚は考えられない』と振られてしまったんです」
36歳にして突然、はしごを外され、里美さんは頭の中が真っ白になり、1週間は泣いていたといいます。それを見かねた女友達が「週末、婚活パーティーに行こう」とパーティーに申し込んでくれました。そのときに会ったのが元夫の雅尚さんでした。
「結婚する前から、怒りっぽい人だというのは分かっていました。ちょっとしたことでイライラしていたし、車の運転をしているとき、急に脇道から車が出てくると舌打ちしたり、『危ないだろうが』と吐き捨てるように言ったりしていたので。ただ、私のことを『今まで出会った中で一番好きになった女性だ』と言ってくれたし、優しいところもたくさんあったし、何より、振られた直後で気持ちが弱っていたんだと思います」
さらに、上場企業の社員で年収もよく、結婚するには申し分のない条件だったのも結婚に進む気持ちを後押ししました。
「私が優しく接して、いつも笑顔でいられるような生活を心掛けたら、きっと、彼も変わっていくだろうと思っていました。でも、結婚して分かったのは、人の性格は変わらないことです。結婚後は、気に食わないことがあると私に対しても舌打ちしたり、キレると罵詈(ばり)雑言を浴びせたり、部屋の中をめちゃくちゃにして暴れたり…本当に大変な1年間でした」
ただ、キレた後は泣いて謝ってきたり、「俺には里美しかいないから、この性格は少しずつ直していくよ」と言われたりするので、気持ちが彼に戻っていたようです。また、罵詈雑言を浴びせたり、物に当たったりはするものの、里美さんを殴ることはなかったので、そこで彼を許していました。ですが、パートナーの体に直接暴力を振るわなくても、言葉の暴力や、物に当たって大きな音を立てることも紛れもなくDVなのです。
さらに、DV気質の人の特徴は怒りを爆発させた後にシュンとなって、その後は、うそのように弱気になり、パートナーに優しくなることです。
「彼から、身体的な暴力を受けたことは一度もありません。でも、あることで彼がキレたときに『このボケが、死ね!』って言われたんです。よく、いじめを苦にして自殺しちゃう子が『死ねと言われたことがつらかった』とか遺書を残しますよね。私、その子たちの気持ちがすごくよく分かった。人から『死ね』って言われると、その言葉が胸に突き刺さるんですよ。私は私の存在価値を殺すような人と、1秒たりとも一緒にいてはいけないと思ったんです」
里美さんは言いました。
「次に再婚する人は、おおらかな人がいいです。短気な人、怒りっぽい人というのはそもそもがそういう気質なので、こちらの接し方で変わるものではない。怒りやすい人と生活していると、知らず知らずのうちに相手の顔色を伺いながら暮らすようになってしまうんです」
どんな経験でも、そこから学ぶことがあります。無駄な経験など一つもないのです。離婚を経験した人たちは失敗を糧にして、次の結婚では幸せをつかんでほしいなと思います。
(仲人・ライター 鎌田れい)
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