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親がワクチン拒否、帰省できず…親を説得すべきか、尊重すべきか 37歳男性の例

ビデオレターで情に訴える

 まず、Aさんと妹のワクチン接種が済み次第、2人で実家に帰って、お父さんと話し合いの場を持つことにしました。父親は電話が苦手で、ラインやメールも使っていないので、直接会って話すことにしたそうです。そして、その場で、Aさんと妹は両親に「どうかワクチンを接種してほしい」と懇願するつもりです。

「“お願いする”姿勢がポイントだと考えています。こちらが怒ったり、叱ったりする雰囲気を見せたら、父は確実に意固地になって、接種に応じなくなると思います。正論で説得しようとしても同様。ストレートに『まだ死んでほしくない』と情に訴えかける作戦です。

それでも駄目なら、僕や妹の子どもたちに協力してもらい、さらに情に訴えます。具体的には『じいじとばあばに会いたい』という内容の手紙かビデオレターを送るのがいいと考えています。僕たちの差し金と気付いて怒るかもしれませんが、頑固な父もさすがに孫には弱いので、怒りを上回って心を動かされるのではないかと期待しています」

 Aさんにはもう一つ、勝算を高める見通しがあります。

「僕と妹のワクチン接種が済み、父との話し合いに向かうときは今よりかなり先なので、世の中のワクチンに対する見方も変わっているはずだと思います。それに、ワクチン接種を終わらせた人たちが増えれば、父の心境に変化が訪れるかもしれない。そこにも賭けたいと思っています」

 新型コロナのワクチン接種は国内で始まったばかりで、これから、日本人の臨床データは増え、ワクチン接種に関する新たな知見も生まれるでしょう。その中で、お父さんの心持ちが変わることは十分あり得ます。

 親にワクチンを接種してほしいけれども、本人がそれを希望していない場合、アラフォー世代である子どもは悩んでしまうでしょう。Aさんのケースをヒントに考えると「この条件がそろったら、親にワクチン接種をすすめる」「○月までは待って、親の説得を再開する」、あるいは「親の意思を尊重して、ワクチン接種拒否を黙認する」などと、あらかじめ、自分の中で決めておくのが自分たちの精神衛生上もよいかもしれません。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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