オトナンサー|暮らしに役立つライフスタイルメディア

  • HOME
  • 暮らし
  • 結婚していなくても…浮気した恋人に「慰謝料」は請求できるのか

結婚していなくても…浮気した恋人に「慰謝料」は請求できるのか

近頃、政治家や芸能人の不倫報道が相次ぎ、「慰謝料」という言葉もよく耳にするようになりました。今回は、浮気した交際相手にこの慰謝料を請求できるのかがテーマです。

浮気をした交際相手に慰謝料は請求できる?

 法律の専門家である弁護士が、私たちの暮らしに身近な事象についてわかりやすく解説します。今回のテーマは「浮気をした彼に慰謝料は請求できるか」、取材に応じてくれたのは、アディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士です。

「最近、芸能人の不倫のニュースが多く、『慰謝料数百万円』という言葉もよく聞きます。私は結婚していないのですが、長く付き合っている彼がいます。もし彼が浮気をしたら、私も慰謝料を請求することができるのでしょうか」

慰謝料の根拠は民法上の「不法行為」

Q.そもそも浮気の慰謝料とは何ですか。

篠田さん「浮気とは、法的(狭義)には『既婚者が配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと=不貞行為』を指します。そして、浮気の慰謝料の根拠は民法709条の不法行為(=故意または過失によって他人の権利利益を侵害した者は、その損害を賠償する責任を負う)にあります。不貞行為があると、妻(夫)は円満な夫婦生活を送っていく権利を侵害されたことになり、それによって生じた精神的苦痛という損害を賠償してもらえるのです」

Q.恋人同士の浮気でも慰謝料は発生しますか。

篠田さん「慰謝料が発生するには、『権利や利権を侵害された』と主張できなければならないため、夫婦ではない通常の交際関係の場合は原則的に、浮気されても慰謝料は請求できません。通常の恋人同士の恋愛は自由恋愛であり、浮気をされても『権利侵害された』と主張できないのです。ただし、婚約をしている場合や、籍は入れていなくとも夫婦同様に暮らしている『内縁』の関係にある場合は、慰謝料が請求できると考えられています。婚約の場合は『結婚に対する期待権』、内縁の場合は『夫婦同様に生活を継続する権利』が侵害されるからです。一方、そうした関係でない以上は、長期間交際していたとしても、原則的に慰謝料は請求できません」

Q.今回のケースに関してまとめをお願いします。

篠田さん「交際中の浮気は、原則として慰謝料は請求できませんが、法的に許されるからといって道徳的に許されるかどうかはまた別の話です。結婚や婚約・内縁関係になくとも、信じていた相手に裏切られた時の心の傷はとても大きいはず。法的にうんぬんよりも、『相手を傷つけない』というお互いの心遣いが一番大事でしょう」

(オトナンサー編集部)

篠田恵里香(しのだ・えりか)

弁護士

東京弁護士会所属。東京を拠点に活動する。得意分野は債務整理、男女トラブル、交通事故問題など。また、離婚などに関する豊富な知識を持つことを証明する、夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も有する。外資系ホテル勤務を経て、新司法試験に合格した経験から、独自の勉強法をまとめた「ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた夢がかなう勉強法」(あさ出版)、ストーリー仕立てで交通事故の示談を解説した「ストーリーから学ぶ交通事故の示談金を受け取るまで」(中央経済社)が発売中。「ゴゴスマ―GO GO!Smile!―」(CBC/TBS)や「ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB」(文化放送)ほかメディア出演多数。ブログ「弁護士篠田恵里香の弁護道」(http://ameblo.jp/erika-shinoda/)。