着けない人が多数 料理中の「エプロン」着用、本当に必要?
最近は、料理をするときに「エプロン」をしない人が多いようですが、エプロンは必要ないのでしょうか。あるいは、身に着けた方がよいのでしょうか。
料理をするときに身に着けるものとして「エプロン」があります。テレビ番組やイベントなど公の場で料理をするときは、出演者は必ずといってよいほどエプロンを身に着けていますが、家庭で料理をするときには、エプロンを着けないという人は多いのではないでしょうか。ある調査によると、20~50代の合計500人の女性のうち、6割以上が「家庭で料理をするときにエプロンをしない」と回答したそうです。
料理をするとき、エプロンは必要ないのでしょうか。あるいは、エプロンは身に着けた方がよいのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。
調理作業の効率と安全のために
Q.そもそも、料理をするときにエプロンを身に着けることには、どのような意味や役割があるのでしょうか。
関口さん「エプロンは調理中の油跳ねや水跳ねなど、汚れから衣服を守るのが主な役割ですが、他にも衣服からの埃(ほこり)や繊維が料理に入ることを防いだり、調理作業の効率化や安全面を担ったりする役割があります。
例えば、調理中は熱によって衣服の変質や引火の危険性があったり、だぶついた服、大きな飾り、ひもなどが作業の邪魔になったりすることもあり得ます。また、エプロンは制服と同じ効果をもたらし、料理をする際の気持ちを引き締め、やる気を起こさせる心理的な効果もあります」
Q.エプロンには主に「胸当てエプロン」「腰エプロン」の2種類があります。それぞれのメリットやデメリット、身に着けるときの使い分けはあるのでしょうか。
関口さん「『胸当てエプロン』のメリットは体を覆う面積が大きく、衣服を保護する能力が高いこと、デメリットは着脱に若干手間がかかることです。衣服の汚れをより確実にカバーでき、エプロンのデザインが印象付けになるため、エプロンの下に着ている衣服のことを気にしなくて済みます。
一方、『腰エプロン』は見た目がおしゃれで着脱が容易ですが、その分、上半身のカバーがないため汚れやすい点がデメリットとして挙げられます。カジュアルな雰囲気で、着衣のイメージを変えずに汚れを最低限カバーしたい場合に適しています」
Q.料理をするとき、エプロンをしない人もいます。エプロンは必要ないのでしょうか。あるいは、身に着けた方がよいのでしょうか。
関口さん「料理をするときは必ずエプロンを身に着けないといけない、というような考えは薄れてきていると思います。料理をする人の考え方やそのときの服装で、エプロンを身に着けるかどうかを判断すればよいのではないでしょうか。エプロンを身に着けないことが間違いというわけではありません。
ただ、エプロンは先述の通り、汚したくない服や作業に向かない服を着ている場合は使用した方がよいです。逆に、家事全般の作業がしやすく、汚れも気にならない服装であれば、使わなくても済むと思います」
Q.6割以上の女性が家庭で料理をするとき、エプロンを身に着けないという調査結果もあります。なぜ、エプロンを着けない人が多いと思われますか。
関口さん「作業しやすいルームウエアを着用する人が増えたことや、手軽に洗濯できる衣服を着て調理する人が多いからではないかと思われます。あるいは、エプロンをするのを面倒に感じる、そもそもエプロンを持っていない、エプロンを洗うのが面倒、暑いなどの理由が考えられます」
Q.もし、料理をするときにエプロンを身に着けない、あるいはエプロンを持っていない場合、具体的にどのような服装が適しているのでしょうか。買い物など近所の外出先から帰ってきたままの服装で料理をしても大丈夫ですか。
関口さん「料理の作業中は水仕事があるので、袖の上げ下げが容易で、体にある程度フィットしている服装の方が作業効率がいいです。動きやすく、シンプルなデザインのもの、汚れても洗濯がしやすいもの、火や熱に強い綿素材が向いています。
買い物など近所の外出先から帰り、そのままご飯の用意をすることもあるでしょう。近所の外出であっても、外出着には埃や菌、小さな虫などが付着していることもあります。エプロンを身に着けないのであれば、着替えてから調理をすることをおすすめします」
(オトナンサー編集部)
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