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ひと晩寝かせたカレーは危険!? 食中毒の原因「ウェルシュ菌」とは

ひと晩寝かせるとおいしくなる料理といえば、「カレー」を思い浮かべる人も多いはず。しかし、東京の幼稚園児らがひと晩置いたカレーを食べたところ、下痢などの食中毒症状を訴える事案が発生しました。その原因は「ウェルシュ菌」でした。

ウェルシュ菌とはどのような菌なのか

 ひと晩寝かせたほうがおいしいとされる「カレー」ですが3月8日、東京・世田谷の私立幼稚園の園児67人と教職員9人が、同日昼に食べたカレーが原因で下痢などの症状を訴える事案が発生しました。

 報道によると、カレーは前日に2つの大鍋を使って作られ、そのままひと晩、常温で保存、食べる直前に温め直したといいます。園児らは下痢や腹痛、おう吐などの症状を訴え、複数の人の便から「ウェルシュ菌」が検出されたそうです。

筑前煮やローストビーフなどでも

 日本食品衛生協会の栗田滋通技術参与によると、ウェルシュ菌とは、人や動物の腸管内や土壌、下水などに存在する菌です。肉や魚、野菜などの食材にも付着し、体内へ大量に取り込まれると食中毒を引き起こすことがあります。

 特にカレーやシチューなど、とろみのある料理を大鍋で作った場合に、ウェルシュ菌による食中毒が起こりやすくなります。筑前煮やローストビーフ、肉じゃがで発生することもあるそうです。

 煮込み料理でウェルシュ菌が発生しやすいのは、以下の理由によるものです。

「ウェルシュ菌には、カプセルのような状態になる『芽胞(がほう)』があります。芽胞は100度で1~6時間加熱しても死滅しないものもあるほど熱に強いため、料理を煮込んでもウェルシュ菌が残り、その後、増殖してしまうのです」(栗田さん)

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