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「眼鏡は直せない」投稿話題 「接着剤」の種類や耐久性、使用NGの物は? メーカーに聞く

物が壊れたときに役立つ「接着剤」ですが、素材や破損状況によっては使用を控えた方がよい場合もあります。正しい接着剤の使い方を聞きました。

接着剤の正しい使い方は?
接着剤の正しい使い方は?

 身近な物が壊れたとき、「接着剤」を使って修理する人も多いと思いますが、うまく接合できなかったり、接合部分が白く変色したりするなどのケースもあります。そんな中、接着剤メーカーのセメダイン(東京都品川区)が昨年末、公式ツイッターで、「接着剤で眼鏡は直せない」「応急処置で使うと修理できなくなる場合もある」と注意を呼び掛け、「知らなかった」「差し歯に使って怒られた」などの声が寄せられました。

 接着剤の適切な使い方などについて、同社の担当者に聞きました。

皮膚が触れる部分は使用NG

Q.そもそも、接着剤は何種類あるのでしょうか。

広報担当者「日本接着剤工業会(東京都千代田区)によると、接着剤は水を溶剤としている『水性形接着剤』、他の物質と化学反応して固まる『反応形接着剤』など、大きく分けて9種類あります。それらを、さらに主成分で分類することができます。さらに、適した素材や硬化までのスピードなどで細分化され、例えば、当社だけでも数千種類もの接着剤があります」

Q.どのような接着剤があるのか教えてください。

広報担当者「主なものを挙げます」

【瞬間接着剤】
「反応形接着剤」に分類されます。一番の特長は短時間で硬化することですが、半面、「耐水性、耐熱性が高くない」「振動・衝撃に弱い」「位置調整の時間がとれない」「接着箇所の周辺が白くなる」「柔軟性があるゴム・皮などを接着すると接着部が硬くなる」などの欠点があり、他の接着剤を使った方がうまくいくケースも多いです。

【多用途接着剤】
「反応形接着剤」に分類されます。多くの素材に対応でき、耐水性、耐油性、耐熱性、耐振動性に優れ、さまざまな状況に対応できます。当社製品では「セメダイン スーパーX」シリーズが該当し、国内だけでなく世界中の家庭や工場の製造現場などで使用されています。

【木工用接着剤】
「水性形接着剤」に当たり、水分の揮発とともに硬化します。木材などの接着に適しています。

【エポキシ接着剤】
「反応形接着剤」に分類され、非常に硬く強靭(きょうじん)な接着が可能です。2種類の液を混ぜて使用するものと、1種類の液を加熱して硬化させるものがあります。 

Q.昨年末、眼鏡の修理に接着剤を使わないようツイッターで注意を呼び掛けたのが印象的でした。眼鏡の他に接着剤を使ってはいけない物や素材、また、接着剤での修理が難しい物や素材、ケース(環境)はあるのでしょうか。

広報担当者「水に完全に漬かる部分には使用できません。また安全上の理由から、皿、コップの飲み口など、人の皮膚や飲食物が直接触れる部分の接着や補修には使用しないでください。同様の理由で、水槽など、生き物を入れる容器での使用も一部の接着剤を除き、すすめません。

このほか、プラスチックの中でも、『ポリプロピレン』『ポリエチレン』は接着が難しい素材とされています。専用の接着剤であれば可能で、当社製品では『PPXセット』が該当します。

なお、接着強度は接着面積に比例するため、素材としては可能でも『折れ』『割れ』など破損部分の面積が小さい場合は接着剤だけで直すのは困難です。例えば、当社が昨年ツイートした眼鏡のフレームのように、極端に接着面積が小さいものだと接合しても十分な強度が得られません」

【写真】さまざまな接着剤

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