接着剤、「冷蔵庫で保管」はOK? 固まったら復元できる? セメダインに聞く
接着剤は、冷蔵庫で保管しても問題ないのでしょうか。接着剤を保管するコツについて、セメダインに聞きました。

接着剤の保管時にキャップをしっかり閉めたにもかかわらず、容器の先端部分や中身が固まってしまい、使えなくなることがあります。中には接着剤が固まるのを防ぐために、冷蔵庫で保管する人もいるようですが、問題ないのでしょうか。また、固まってしまった接着剤を復元する方法はあるのでしょうか。「瞬間接着剤3000シリーズ」などを製造、販売するセメダイン(東京都品川区)の広報担当者に聞きました。
水性接着剤は冷蔵保管NG
Q.接着剤の保管時に、容器の先端部分や中身が固まって使えなくなることがありますが、なぜでしょうか。原因について、教えてください。
担当者「接着剤が固まる仕組みとともに、説明します。水性・溶剤系の接着剤は、水やアセトンといった溶剤が揮発(常温で液体が気体に変化すること)して硬化します。そのため、作業時にキャップを開けたままにすると、先端が硬化してしまうことがあります。使用時は小まめにキャップを閉めてください。
プラスチックの一種である『エポキシ樹脂』を主成分とし、2つの異なる液体を混合して硬化させるエポキシ系の接着剤があります。このタイプの接着剤は、例えば『A剤にB剤のキャップを閉める』といったように、異なる液体のキャップを間違えて閉めてしまうと、化学反応により硬化してしまいます。
瞬間接着剤のほか、金属やゴムなどさまざまな物質に使用可能な多用途接着剤は、湿気で硬化します。作業中、キャップを開けたままにすると、空気中の湿気に反応して硬化します。また、容器の口部分に付着した液体を拭き取る際にウエットティッシュを使用すると、その水分で硬化してしまいます。
接着剤の種類にかかわらず、ノズルの先端で接着剤を伸ばした場合、表面のほこりなどが接着剤と一緒に固まってしまい、先端が詰まる原因となるので、気を付けましょう」
Q.接着剤は、どのような方法で保管するとよいのでしょうか。接着剤が固まるのを防ぐために冷蔵庫で保管する人もいるようですが、問題はないのでしょうか。
担当者「『直射日光が当たらない、温度と湿度が低い場所で保管する』『乾燥剤と一緒に保管する』といった方法がお勧めです。使用後は容器の口部分を乾いた布できれいに拭き取り、できるだけ空気に触れないように、しっかりふたを閉めてから冷暗所で保管してください。
接着剤の種類によって、冷蔵庫での保管に向いている製品と向いていない製品があります。瞬間接着剤は『湿度の低い、直射日光の当たらない冷暗所』での保管を推奨しており、冷蔵庫は湿度が低く、温度が一定に保たれているので、瞬間接着剤の保管に向いています。ただし、保管時は接着剤が食品に付着しないよう、十分に気を付けてください。
一方、水性接着剤などは、冷蔵庫で保管すると凍結し、使用できなくなる恐れがあるので注意してください。
接着剤の開封後は、キャップをしっかり閉めていても中身の硬化が進行していくので、長期保管はできません。接着剤は、早めに使い切りましょう」
Q.ノズルの先端部分のほか、容器の先端部分や中身が固まってしまった場合、復元する方法はありますか。それとも、固まった時点で二度と使用することはできないのでしょうか。
担当者「ノズルや容器の先端部分、容器の中身が固まってしまった場合、復元が不可能なため、二度と使用できません。当社の『瞬間接着剤3000シリーズ』は特殊ボトルを採用しているので、ノズルの先端が硬化しにくく、内部硬化も起こりにくくなっています。瞬間接着剤をお探しの際はぜひご検討ください」
接着剤は、長期保管ができない製品だということです。使い道をはっきり決めた上で、短期間で使い切るつもりで購入するのがよさそうです。
(オトナンサー編集部)
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