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汗を抑えるだけじゃない! 制汗剤が持つ「自信回復」効果とは

一般的なスプレータイプ以外に、最近はジェルタイプが発売されるなど活況の「制汗剤」市場。しかし、制汗剤は汗を抑えるだけでなく、自分に自信を取り戻す上でも効果があると指摘する専門家もいます。一体どのような意味でしょうか。

汗の臭いが及ぼすストレスは大きい

 近年、活性化する制汗剤市場――。製品の種類も、従来のスプレータイプのほか、ジェルタイプのものが発売されるなど多様化しています。そんななか、ワキガ・体臭・多汗症に詳しい五味クリニック院長の五味常明さんは「制汗剤は汗を抑えるだけでなく『自信回復剤』としても効果があります」と指摘します。その意味を聞きました。

終わりなく続くストレス

 わき汗に悩む人は、2つのタイプに分かれます。汗が本当に臭う人と、「自己臭恐怖症」と呼ばれる、自分の汗が臭うと“思い込んでいる”人です。

「両タイプに共通するのは、『自分が他人に対して不快感を与えている』という罪悪感を持っていること。一人で悩み苦しむことで、自分の存在に否定的になり、自信を失い、最悪の場合、退職につながることも。企業にとって良いことは一つもないのです」

 そもそも人間はストレスを感じると、ミネラル分を多く含んだ臭い汗をかくと五味さんは指摘します。その結果、以下のようなスパイラルに陥るそうです。五味さんはこれを「ニオイ・ストレス・スパイラル」と呼びます。

1.臭いと思われているのでは?

2.臭いを気にしてストレスがたまる

3.さらに汗をかく

(1~3の繰り返し)

「他人の汗の臭いをかいで、自分もそうなのではと思い込み、また余計に汗をかく。それが『ニオイ・ストレス・スパイラル』です」

 そのスパイラルを断ち切るには、制汗剤が必要です。汗を抑えるといった本来の「実利的」な役割以外にも、「心理的」な効果があるからだといいます。「制汗剤を使っている安心感がストレスを減らし、自信を取り戻させるのです」。

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五味常明(ごみ・つねあき)

五味クリニック院長

1949年長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら、外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱し、ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践する。ワキガの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。1999年からはケアマネジャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場におけるニオイケアにも取り組む。テレビや雑誌など出演多数。

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