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汗を抑えるだけじゃない! 制汗剤が持つ「自信回復」効果とは

他人の臭いで脳の働きが鈍ってしまう

 実際、汗の臭いがビジネスに与える悪影響はどのようなものでしょうか。五味さんが2010年に消費財メーカー「シービック」と行った実験で、他人の臭いが仕事の集中力を低下させることが分かったといいます。

「20~30代の男性2名を対象に、無臭のシャツと汗の臭いが付いた自分のシャツ、前日1日汗をかいて過ごした他人のシャツをそれぞれ、かいでもらいました。その後、それぞれの脳に流れる血量を測定したところ、無臭のシャツと汗の臭いが付いた自分のシャツをかいだ時には、血流量が多く、脳が活発に動いていましたが、他人のシャツをかいだ時は血流量が少なく、脳があまり働いていないことが分かったのです」

 結果、ビジネスにも影響が出るといいます。予想以上に、人間は他人の臭いに敏感なようです。

冬の厚着は、臭いの元になる

 五味さんが1984年にクリニックを開業した時、患者の大半は女性でしたが現在は半々といいます。「男性ビジネスマンの、自分の臭いケアへの意識が高まってきたのです」。

 現在は2月。暦の上では春ですが、まだまだ冷え込む日が続きます。「寒い時期はコートやセーターなど、汗が蒸発しにくい服を着るため、臭いの元になりやすい。加えて基礎代謝が夏より高いこともあり、実は汗をかきやすい時期なのです」。

 本当に臭う人と、臭うと“思い込んでいる”人にも効果的な制汗剤。四季の特性も背景に今後もマーケットが拡大しそうです。

(オトナンサー編集部)

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五味常明(ごみ・つねあき)

五味クリニック院長

1949年長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら、外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱し、ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践する。ワキガの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。1999年からはケアマネジャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場におけるニオイケアにも取り組む。テレビや雑誌など出演多数。

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