オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

なぜ7歳、5歳、3歳? 「七五三」はいつ、どんな目的で始まった? 11月15日の意味は

11月15日にこだわる必要はない

Q.なぜ、11月15日に七五三のお参りをするとされているのですか。

齊木さん「古来、旧暦の11月15日は鬼が出歩かない『二十八宿の鬼宿日(にじゅうはっしゅくのきしゅくにち)』と呼ばれ、この日は結婚式以外のことは万事順調に行えると考えられていました。

また、満月であるこの日は、日本全国で収穫祭が行われるようになりました。江戸時代に入ると、収穫祭では作物の収穫だけではなく、子どもが無事に成長したことを感謝しながら、さらなる繁栄と安寧を祈願するという神事が行われるようになったのです。

このことから、1681年11月15日に、館林城(群馬県館林市)の城主で徳川網吉の長男である徳川徳松の健康を祈願しました。その後、この日に七五三が行われるようになったといわれています」

Q.北海道など寒冷地では、七五三のお参りを10月に終わらせる家庭もあるようです。11月15日前後にお参りをしないといけないなど、必ずしも時期が決まっているわけではないのでしょうか。

齊木さん「全国的には11月15日に年中行事として行いますが、北海道は冬の到来が早く、寒さで子どもに負担がかからないように、1カ月早い10月15日前後にお参りをする人が多くなっています。そもそも七五三とは、子どもの成長や健康を祝うのが目的であるため、11月15日という日付にこだわるより、子どもたちがお参りしやすい時期を見極めて快適に行うことが大切です」

Q.11月15日前後で日にちを自由に決められる場合、「大安」など吉日を選んでお参りした方がよいのでしょうか。

齊木さん「先述しましたが、七五三は11月15日に必ず行わなければならないわけではありません。日本では行事を執り行う際、特に冠婚葬祭などの儀式行事の場合、日取りを決めるのに六曜や六輝と言われる暦注の“お日柄”が影響する場面がたびたび見られます。

七五三のお参りも、お日柄の良い『大安』など選んで行います。しかし、現代ではこの六曜も迷信とし、次第に気にしない家庭が増えてきました。解釈も人それぞれ違って当然ですので、お参りの日取りは家庭ごとの方針で決めて問題ないとされています」

Q.七五三のお参りを受け付けている寺社は数多くあります。七五三にお参りする予定のある人は、どの寺社にお参りに行くのがよいのでしょうか。また、どのようなことをお祈りするとよいのでしょうか。

齊木さん「七五三はお宮参りと同様、基本的には氏神様にお参りをする行事で、氏神様はその土地を守っている神様です。ただし、転居したての人など、お参り先は必ずご近所の神社である必要はありません。由緒正しい歴史ある神社には、華やかさや厳かさ、境内の自然などの魅力もあり、好まれる人もいらっしゃいます。神社選びのポイントで最も大切なのは、子どもが疲れることがないように配慮することです。

七五三では、子どもの成長に感謝し、今後の成長と幸せを祈ります。先人が子どもの健康を願って始まった七五三。時代は変われど、子を持つ親の気持ちは変わらないのではないでしょうか。子どもの体力や体調を優先に、日本古来の儀式を大切に過ごしたいですね」

(オトナンサー編集部)

1 2

齊木由香(さいき・ゆか)

日本礼法教授、和文化研究家、着付師

旧酒蔵家出身で、幼少期から「新年のあいさつ」などの年間行事で和装を着用し、着物に親しむ。大妻女子大学で着物を生地から製作するなど、日本文化における衣食住について研究。2002年に芸能プロダクションによる約4000人のオーディションを勝ち抜き、テレビドラマやCM、映画などに多数出演。ドラマで和装を着用した経験を生かし“魅せる着物”を提案する。保有資格は「民族衣装文化普及協会認定着物着付師範」「日本礼法教授」「食生活アドバイザー」「秘書検定1級」「英語検定2級」など。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yukasaiki)。

コメント