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トレイルランナーは「10mルール」でハイカーとのあつれき解消を

すれ違う、各競技団体の思惑

 山ですれ違う場合、上りが優先ですが、上りであっても下りでも、ランナーである私は必ず10メートル手前で止まって、「どうぞ!」と道を譲るようにしています。追い抜くときも、10メートル手前で止まって声を掛けながら、ゆっくり後ろにつけて、相手が道を譲ってくれた時だけ歩いて抜くのです。このとき必ずもう一度、声を掛けます。

「こんにちは!」は当たり前ですが、「どちらから?」「どこまで行くの?」「よく来るんですか?」など、会話が続くようなあいさつを投げ掛けるようにしています。無視されることもありますが気にしません。

 時には、歩きながら5分も10分も話し込むことがあります。亡くなったご主人と歩いた思い出の山に一人でやってきたおばあちゃんや、自閉症の息子を連れて、あちこちの山を歩いているお母さん、定年退職してから山歩きを始めた老夫婦。それぞれの山への思いがあり、人生模様が垣間見える。それだけで得した気分になるから不思議です。

 昨年から始まったトレイルランナーズ協会主催の「TRAIL-RUNNING FORUM」に毎年参加しています。現在、日本には「トレイルランナーズ協会」「トレイルランJAPAN」「日本スカイラニング協会」という主要な3団体があるようです。それぞれの代表があいさつに立つのですが、中央の統一的な組織の必要性を感じながらも思惑の違いからか、ちぐはぐさを感じます。しかも、それぞれの団体がトレイルラン大会の主催者の集まりで、大会を開催するにあたっての問題を中心に議論しているのです。

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辰濃哲郎(たつの・てつろう)

ノンフィクション作家

1957年生まれ。慶応義塾大では野球部に投手として所属。卒業後は、朝日新聞社会部記者として事件や医療問題を取材した。2004年に退社。日本医師会の内幕を描いた「歪んだ権威」や、東日本大震災の被災地を取材した「海の見える病院 語れなかった『雄勝』の真実」「『脇役』たちがつないだ震災医療」を出版。趣味でランニングを20年近く続け、最近はトレイルを走っている。ランニング雑誌「クリール」で1年間、連載を手がけた。

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