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私立恵比寿中学、結成10周年 グループの歴史から見えるエビ中の魅力とは

各アーティストからの楽曲提供も

 エビ中はいい意味で“色のない”グループともいえます。楽曲を聴き比べてみると、その神髄がにわかに伝わってきますが、彼女たちならではの魅力を引き出しているのが、ジャンルもさまざまなアーティストたちの存在です。

 例えば、今年3月にリリースされた5thアルバム「MUSiC」は、通して聴いてみるだけで彼女たちの“振り幅”を味わえる一枚となっています。楽曲の提供者を見てみると、“ファミリー”と呼ばれるファンとの絆を歌い上げたかのような「Family Complex」は、シンガー・ソングライター、岡崎体育さんが作詞・作曲・編曲を担当。

 グループ魂の港カヲルさんのソロアルバム「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」でコラボした楽曲のアンサーソング「元気しかない!」は、脚本家・宮藤官九郎さんが詞を寄せるなど、第一線で活躍するクリエーター陣の名前が並んでいます。

 一方で、浮遊感漂うファンクチューン「踊るロクデナシ」には、現役高校生(当時)である新進気鋭の楽曲クリエーター・Mega Shinnosukeさんを起用するなど、過去の楽曲も含めてその時期ごとの新しい才能を発掘し、彼女たちの持ち味をさらに引き出そうとする工夫も目立ちます。

 近年のライブの傾向は、春や秋にツアーを行い、年末にアリーナクラスでの公演を開催するというものですが、ペンライトやコールを禁止して、全席着席指定の静かな空間でメンバーの歌声に耳を傾けられる野外イベント「ちゅうおん」を開催した年もあり、パフォーマンスの見せ方にも工夫が見られます。

 今年は10周年のメモリアルイヤーとして、ゆかりあるアーティストを招いた自身初の主催フェス「『MUSiC』フェス~私立恵比寿中学開校10周年記念 in 赤レンガ倉庫~」を6月に開演。12月には6thアルバム「playlist」のリリースも控えています。また一つ大人になった彼女たちが、新たに追加される楽曲をどう歌い上げるのか、期待しています。

(編集者・ライター カネコシュウヘイ)

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カネコシュウヘイ

編集者・ライター

1983年11月8日生まれ。埼玉県在住。成城大学出身。2008年に出版業界へ入り、2010年に独立してフリーランスに。以降、Webや雑誌でエンターテインメント系分野を中心に取材や記事執筆に注力する。月平均4~5回ほど、自らチケットを取ってライブへ足を運ぶほど現場主義のアイドル好き。自分にとって、アイドルがいなかったら「これほどまでに他人の人生で一喜一憂することはなかった」と痛感。著書に「BABYMETAL追っかけ日記」(鉄人社)。ツイッター(https://twitter.com/sorao17)。

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