私立恵比寿中学、結成10周年 グループの歴史から見えるエビ中の魅力とは
各アーティストからの楽曲提供も
エビ中はいい意味で“色のない”グループともいえます。楽曲を聴き比べてみると、その神髄がにわかに伝わってきますが、彼女たちならではの魅力を引き出しているのが、ジャンルもさまざまなアーティストたちの存在です。
例えば、今年3月にリリースされた5thアルバム「MUSiC」は、通して聴いてみるだけで彼女たちの“振り幅”を味わえる一枚となっています。楽曲の提供者を見てみると、“ファミリー”と呼ばれるファンとの絆を歌い上げたかのような「Family Complex」は、シンガー・ソングライター、岡崎体育さんが作詞・作曲・編曲を担当。
グループ魂の港カヲルさんのソロアルバム「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」でコラボした楽曲のアンサーソング「元気しかない!」は、脚本家・宮藤官九郎さんが詞を寄せるなど、第一線で活躍するクリエーター陣の名前が並んでいます。
一方で、浮遊感漂うファンクチューン「踊るロクデナシ」には、現役高校生(当時)である新進気鋭の楽曲クリエーター・Mega Shinnosukeさんを起用するなど、過去の楽曲も含めてその時期ごとの新しい才能を発掘し、彼女たちの持ち味をさらに引き出そうとする工夫も目立ちます。
近年のライブの傾向は、春や秋にツアーを行い、年末にアリーナクラスでの公演を開催するというものですが、ペンライトやコールを禁止して、全席着席指定の静かな空間でメンバーの歌声に耳を傾けられる野外イベント「ちゅうおん」を開催した年もあり、パフォーマンスの見せ方にも工夫が見られます。
今年は10周年のメモリアルイヤーとして、ゆかりあるアーティストを招いた自身初の主催フェス「『MUSiC』フェス~私立恵比寿中学開校10周年記念 in 赤レンガ倉庫~」を6月に開演。12月には6thアルバム「playlist」のリリースも控えています。また一つ大人になった彼女たちが、新たに追加される楽曲をどう歌い上げるのか、期待しています。
(編集者・ライター カネコシュウヘイ)
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