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私立恵比寿中学、結成10周年 グループの歴史から見えるエビ中の魅力とは

パフォーマンスの“振り幅”が持ち味

 自身の公演を“学芸会”と称するエビ中は当初、「キレのないダンスと不安定な歌唱力」をうたっていました。ライブの定番曲となっている初期の楽曲「えびぞりダイヤモンド」はそれを象徴する一曲で、当時のMVには、あどけないメンバーのパフォーマンス映像が残されています。しかし、メンバーの経験や努力が実を結び、近年は“実力派集団”と評する声も増えてきました。

 一見、個性が“渋滞”していると思えるほど、バラバラなキャラクターの6人ですが、彼女たちに引きつけられてしまう理由は何といっても、全員がステージにそろった途端、ときには、食って掛かるかのように会場全体を巻き込むパフォーマンスを味わえるからに尽きます。

 エビ中は「対バンやフェスに強い」といわれることもありますが、これも経験のなせるワザの一つ。楽曲「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」や「揚げろ! エビフライ」はテンションを一気に高めてくれる“アゲ曲”の代表例ですが、曲中でジャンプをしたりタオルを振り回したりと、初めて聴くとしても、ステージ上の彼女たちをまねするだけで曲の雰囲気を一瞬でつかめるほどの力を持っています。

 一方で、パフォーマンスの“振り幅”も彼女たちならではの持ち味です。楽曲「使ってポートフォリオ」は、ジャンルに縛られないエビ中を象徴する一曲で、演歌やダンスミュージック、ラップと曲調が目まぐるしく変化しますが、歌い方もテンポもそれぞれのパートで異なるにもかかわらず、柔軟に対応するメンバーの“器用さ”がよく分かります。

 さらに、昨年5月に発売された椎名林檎さんのデビュー20周年を記念したアルバム「アダムとイブの林檎」では、カバーアーティストとして「自由へ道連れ」を担当し、アイドル以外のファン層から一定の支持を獲得したのも、大きなトピックの一つです。

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カネコシュウヘイ

編集者・ライター

1983年11月8日生まれ。埼玉県在住。成城大学出身。2008年に出版業界へ入り、2010年に独立してフリーランスに。以降、Webや雑誌でエンターテインメント系分野を中心に取材や記事執筆に注力する。月平均4~5回ほど、自らチケットを取ってライブへ足を運ぶほど現場主義のアイドル好き。自分にとって、アイドルがいなかったら「これほどまでに他人の人生で一喜一憂することはなかった」と痛感。著書に「BABYMETAL追っかけ日記」(鉄人社)。ツイッター(https://twitter.com/sorao17)。

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