「ハロプロ」20年、今なお愛され続ける理由とアイドル界に与えたもの
発足から20年が経過した「ハロー! プロジェクト」。彼女たちが、今なお多くの人々を魅了し続ける背景を探ります。
AKBグループや坂道シリーズなど、数多くのアイドルグループが活躍する現在、発足から20年の歴史を誇る「ハロー! プロジェクト」は、いまだアイドルシーンをけん引する一大勢力としての存在感を放っています。彼女たちはなぜ、今なお多くの人々を魅了し続けるのか、その背景を探っていきます。
「ASAYAN」から誕生したモーニング娘。
3月30日に千葉・幕張メッセ国際展示場で行われた「Hello! Project 20th Anniversary!! ひなフェス 2019」は、モーニング娘。OGの辻希美さんと加護亜依さんのユニット「W(ダブルユー)」が約13年ぶりとなるパフォーマンスを披露したことで話題になりました。同じくOGの鞘師里保さんが約3年ぶりにステージに立ったことでも注目されました。
ハロプロの長きにわたる活動の礎となったのは、オーディション番組「ASAYAN」(テレビ東京系)から誕生したモーニング娘。です。
「シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション」で落選した安倍なつみさん、飯田圭織さん、石黒彩さん、中澤裕子さん、福田明日香さんによる5人組グループとして1997年に結成。2期メンバーの保田圭さん、矢口真里さん、市井紗耶香さんが加入した1998年にメジャーデビューを果たしました。プロデューサーのつんく♂さんによる発案で生まれた、タンポポやプッチモニといったグループ内ユニットも相次いでヒットを飛ばし、国民的アイドルグループとしての地位を確立させていきます。
そして、「ハロー! プロジェクト」の発足です。「ハロー! プロジェクト」とは、アップフロントプロモーション所属のアイドルグループの総称ですが、当初は「Hello!」という、平家みちよ(現・みちよ)さんとモーニング娘。の合同ファンクラブでした。
1999年4月に「Hello! Project」へ改称したことを機に、平家さんとモーニング娘。を含む、「ASAYAN」から生まれたアイドルグループ・太陽とシスコムーン、ココナッツ娘。、カントリー娘。を指す言葉として、同年7月には初の合同コンサートを開催、その歴史をスタートさせたのです。
「ハロプロ・キッズ」の登場
ここまで、ハロプロの黎明期の解説をしてきましたが、現在のハロプロに至るまでには、2つの転換期を経ています。その一つが、ハロプロの冠番組「ハロー! モーニング。」(テレビ東京系)で、2002年より行われた初の自主オーディション「ハロー! プロジェクト・キッズ オーディション」です。
同オーディションでは、将来性のある応募者を「ハロー! プロジェクト・キッズ」として発掘、後にBerryz工房や℃-uteを輩出しました。ハロプロ以外の現役アイドルでも、彼女たちを憧れの存在と公言する声も多く、現在のシーン全体に影響を与えたといっても過言ではありません。
このハロプロ・キッズの登場は、ハロプロの魅力である“パフォーマンス力”に結び付いています。「ハロプロエッグ」への改称を経て、現在は「ハロプロ研修生」に変わっていますが、先輩グループのライブへ帯同させることで研鑽を積ませる仕組みを確立させました。さらには、過去の作品の歌やダンスに触れさせることで、顔ぶれが変わっても失われることのない、歌い方などに見られる“ハロプロらしさ”を引き継ぐ要素にもなっています。
ハロプロ研修生たちの活動で特筆すべきは、彼女たちが出演する毎年5月の恒例イベント「春の公開実力診断テスト」です。ここでは、メンバー自らが衣装や楽曲を選び、パフォーマンスを披露。終盤では、日頃から彼女たちの歌やダンスを指導する講師陣やハロプロOGらが名を連ねる審査員や、観客の投票によりおのおののパフォーマンスが評価され、ファンにとって“未来ある才能”を発見できる貴重な機会となっています。
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