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スペイン坂のアジサイが満開! 「梅雨」と漢字にまつわるエトセトラ

令和最初の夏がやって来ます

「令和の出典元となった、万葉集の『梅花の歌三十二首の序文』『于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香』は『時は初春の令よい月(『令』=物事のつやがあるように美しい)であり、空気は美しく、風は和やかで、梅は鏡の前の美人が白粉おしろいで装うように花咲き、蘭は身を飾る衣にまとう香のように薫らせる』という意味です」(田代さん)

「新たな時代が幕を開け、春から夏へと移ろってゆく。令和最初の夏はどのような季節になるのでしょうか。梅雨から盛夏へと向かってゆくときに、和歌や漢字を見ながら思いをはせるのも楽しいものです」

<ここで、読者の皆さまに例題があります>

 田代さんと伊東さんから、「雨」に関する例題が7問あります。漢字の読み方と意味が分かれば、かなりのセンスの持ち主ということになります。ぜひチャレンジしてください。

(1)五月雨(さみだれ)
→陰暦五月ごろに降る長雨。梅雨。

(2)黒雨(こくう)
→空を暗くするばかりに降る大雨。

(3)法雨(ほうう)
→仏語。仏の慈悲が衆生 (しゅじょう) をあまねく救うことを、雨が万物を潤すことに例えた語。のりのあめ。

(4)麦雨(ばくう)
→麦が熟する頃に降る雨。五月雨。

(5)怪雨(かいう)
→つむじ風で巻き上げられた土砂や魚、虫などが雨に交じって降ってくるもの。

(6)膏雨(こうう)
→農作物を潤し、生育を助ける雨。恵みの雨。甘雨。

(7)糠雨(ぬかあめ)
→霧のような細かい雨。霧雨。こぬかあめ。

 実は「アジサイ」は、中国では外来種である「ライラック」だったという説もあります。アジサイのかれんな咲き姿とともに、歴史のロマンを感じる、6月は梅雨のシーズン。家族サービスにアジサイの名所で漢字談義はいかがですか。文章を書きたくなったら拙著「3行で人を動かす文章術」(WAVE出版)もお勧めです。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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