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非難殺到! おでんツンツン男はなぜ“器物損壊”の疑いをかけられるのか

効用を“心理的に”失わせること

「男性がおつゆに毒物を入れたと仮定します。当然おでんは食べられなくなり、この場合も器物損壊罪が成立します」。しかし、毒物ではなく指を入れただけでは、食べられなくなることはありません。食べようと思えば食べることはできます。

 今回注目すべきは、毒物を入れるといった「客観的に効用を失わせる」ことではなく、あくまでも「心理的に効用を失わせる」こと。長家さんによると、器物損壊罪が成立するために、これが重要な要素になるといいます。

 長家さんは司法試験の受験生だった頃に学んだ判例を思い出すそう。「『鍋にオシッコをしたら器物損壊罪が成立する』という判例でした。鍋を洗ったら、また使おうと思えば使えますが、使う気がしないから器物損壊罪が成立する、というもの。今回はこれに近い事案だと思います」。

(オトナンサー編集部)

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長家広明(ながや・ひろあき)

弁護士

1963年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1997年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2004年インテグラル法律事務所設立。インテグラル法律事務所パートナー弁護士。NPO法人「遺言・相続リーガルネットワーク」事務局長、板橋区役所法律相談員、板橋区感染症診査協議会委員。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、日経ビジネスコラム執筆などメディア出演多数。一般人にも分かりやすい例を用いて、法律をユーモラスに知ってもらいたいと考えている。http://nagaya4.wixsite.com/integral

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