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ひな人形はおさがりNG 業界団体の漫画に「売りたいだけ?」と賛否、団体と専門家に聞く

「ひな人形のおさがりはNG」と主張する漫画を業界団体が発表し話題に。専門家と業界団体に聞きました。

「雛まつり~まちの雛・ふるさとの雛~」で展示中の「古今雛」(日本玩具博物館提供)
「雛まつり~まちの雛・ふるさとの雛~」で展示中の「古今雛」(日本玩具博物館提供)

「ひな人形のおさがりはNG」「一人一飾りずつ持つべきもの」と主張する漫画を、日本人形の製造・卸売業者など約300社が加盟する一般社団法人日本人形協会(東京都台東区)が発表し、話題になっています。ネット上では「なるほど」「知らなかった」という反応もありますが、「人形を売りたいだけでは?」「うさんくさい」「先祖代々受け継いだひな人形はどうなの」との批判や疑問が多いようです。伝統玩具に詳しい専門家と同協会に取材しました。

「受け継ぎや共有、昔からある」

 日本人形協会の漫画は1月21日に発表され、「ひな人形は、人に降りかかる『厄』を代わって受けるお守り」として「親子間や姉妹間などを含め、誰かに譲るのはよくありません」と説明。人形が必要なくなったら、誰かに譲るのではなく、神社やお寺で供養してもらうよう呼び掛けています。協会のホームページから、無料で見ることができます。

 また、協会はホームページでひな祭りについて、「平安時代のお人形(ひいな)遊びと、簡素な人形(ひとがた)に自分の厄や災いをうつして川や海に流した流しびなの行事が結びついたものが原形」と紹介しています。厄や災いをうつした「ひとがた」が、現代のひな人形に当たる、ということのようですが…。

 日本の伝統玩具など約9万点を収蔵し、毎年春に「雛(ひな)人形展」を開いている日本玩具博物館(兵庫県姫路市)の井上重義館長に聞きました。

Q.ひな人形の起源は。

井上さん「平安時代の貴族の姫君たちは、人形を『ひな(ひゐな) 』と呼び、小さな館や道具をそろえて人形遊びを楽しんでいました。それが江戸時代になると、女性の健康と幸福を願う、桃の節句の特別な遊びへと発展します。現在のようなひな人形を飾るのは、江戸時代後期からです。最初は裕福な家庭を中心に広がりました」

Q.ひな人形を母親から娘に受け継いだり、姉妹で共有したりするのがNGというのは本当ですか。

井上さん「そんなことはありません。古い人形を修理して、きれいにして譲るということは昔から行われていました。高級なひな人形を再活用するのです。この博物館にも、修理したひな人形があります。姉妹で共有したり、お母さんから受け継いだり、大体『一家に一そろえ』という家庭が多いのではないでしょうか」

Q.厄をうつして流す「流しびな」が現代の人形になったということは、考えられませんか。

井上さん「見解が違います。厄などを流すのは(紙や草木で作った)消耗品ですよね。今のひな人形は違います。『これはおばあさんからお母さんがもらったもの』と娘さんに人形を受け継ぐ人もいます」

 半世紀以上にわたって、玩具の収集、研究を続けてきた井上館長は「おさがりNG」説を否定しました。日本人形協会の見解は――。

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コメント

6件のコメント

  1. 神社やお寺で供養されて、そのあとは産業ごみとして焼却されCO2が排出されると、子らの将来によくないと思うので、私はリユースをお勧めします。業界様には、生活がかかっているから売れることも大事でしょうけど、毎年おひなさまの有償衣替え・メンテナンスをするとか、新しいものを売るだけでない方法も探られることをお勧めします。

  2. うちの近くにある神社も、寺も人形供養やってないし拒否される、お願いできるところが見つかりませんでした。

    塩とお菓子を添えて、何度も有難うありがとうと言いながら、家庭ごみとして処分しました。

  3. 現代のお雛様と、昔のお雛様では顔が時代に合わせて変わっていたりします。 お雛様は、値段でなく、気に入ったものを購入し、娘、孫の代に引き継ぐのがいいと思います。もちろん、段飾りが大きすぎるから、内裏雛だけでいいというのでしたら、購入もいいと思いますが、身代わりだからとまた新しいものを購入する必要はないでしょう。身代わりという事でしたら、神社で形代というもので厄を払えるので、厄払いが気になる方はそちらで厄払いを。

  4. この記事を見て、じゃあ雛人形なんていらないやって思った。
    そんな伝統が必要ならわざわざ雛人形なんて買わないで、初詣でお守り買って済ませる。
    協会はこんなこと言ってるから、逆に人の気持ちが離れることが分からないのかね。

    そりゃ、雛祭りや雛人形の文化や伝統、歴史もあるでしょう。
    その文化や伝統を語るのは結構。でも、こんなこと言われたって守れないよね。
    時代とともに、社会や経済ありとあらゆるものに変化し、考え方も物の価値感も多種多様、
    経済事情もそれぞれ。
    一方的に歴史に鑑みた雛人形の本来の在り方を発信するのは結構だが、
    それほど気難しいことを考えてまでその文化や歴史を守る必要性もあると思うなら、
    じゃあそれを知ったうえで買いたい人、守りたい人、業界に関わる人が雛人形を買って、
    その文化をどうぞご継承ください。

    業界や関係者自らが勝手な事情でこういう発信をするのは構わないが、
    現在の一つの在り方を否定しているような言い分は、庶民レベルに根付いた雛人形の
    文化そのものを壊す本末転倒ともなるような話。

  5. この記事を見て、本日不快に感じたり、不安になった親御さんも多いのではないかと心配します。物を大切にするという日本人の美徳を否定する面もあり私としても、この漫画を見てとても不快に感じました。商売上の施策なのでしょうけど少々浅ましさを感じます。

  6. 日本人形協会の広報委員長さんの言ってることがすっきり納得できない。

    「文献はないが調べてわかった」。何を根拠に言っているのか。

    「流しびながルーツ」なら、毎年変えなくてはならない。ひな人形を引き継ぐと厄を引き継ぐという理屈なら、雛人形は厄を受けるだけでなく返すということになる。それなら、毎年前年の厄を返すんじゃないか?

    「ひな人形の姉妹での共有は、旦那さんの共有になってしまいます」1女雛複数姉妹の対応を許した時点で1男雛複数夫でよいはず。旦那さんの共有?意味が分からない。

    「お姉ちゃんの分より小さくても、見た目が違っても」差をつけられたら嬉しくないだろう。ひがむよ。