オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

自閉症の息子を特別支援学校へ 5年前「支援級に行けるかも」と揺れた母が、今「正解だった」と断言できるワケ

心が許せる友達もできた息子

特別支援学校で友達に恵まれた自閉症の息子。授業中に手が汚れて困っていたときに、クラスの友達がサッと息子のタオルを取りに行って、差し出してくれたことも(べっこうあめアマミさん作)
特別支援学校で友達に恵まれた自閉症の息子。授業中に手が汚れて困っていたときに、クラスの友達がサッと息子のタオルを取りに行って、差し出してくれたことも(べっこうあめアマミさん作)

「特別支援学校は友達ができにくいのでは」と不安に思ったこともありました。

 しかし、息子には心許せる友達が何人もできたようです。話すことができない息子ですが、「この子と一緒にいたい」という気持ちがあるようで、いつも一緒にいる友達ができました。

 息子よりできることが多い友達は、息子が困っているときには助けてくれたりもします。

 授業参観に行ったときのこと。

 授業中に手が汚れて困っていた息子に、クラスの友達がサッと息子のタオルを取りに行って、差し出してくれたのです。言葉はなくても、そこには確かな信頼関係がありました。

 息子は自分で学校でのことを話してはくれないけれど、大切な友達がいて、関係が構築されている。そう思うと胸がほっこりしました。

5年たって、ようやく言えること

 今、息子は特別支援学校の5年生です。同学年の子どもたちと比べれば、できることは限られているかもしれません。

 しかし、彼なりのペースで確実にできることを増やしています。そして何より、学校が息子にとって安心できる居場所になっています。

 就学前、「この選択でいいのだろうか」と悩んでいた私に、今なら伝えられます。「あのとき、息子に特別支援学校を選んだことは間違いではなかった。正解だった」と。

 卒業、進級の季節になると、かつての私と同じように進路に不安を抱える保護者の気持ちが痛いほど分かります。

 周りの健常児と比べて落ち込むこともあるでしょうし、「もっと別の道があったのでは」と考えてしまう夜もあると思います。

 ですが、子どもが安心して過ごせる場所で、子どものペースで積み重ねていくことは、決して遠回りではありません。

 息子は、あと1年で小学校生活が終わりますが、私は親として、この就学先を選んで本当によかったと思っています。

 新学期を前に、子どもの進路に不安を抱えている人にとって、わが家の経験が一つの参考になれば幸いです。

 そして、どんな判断をしたとしても、子どものことを真剣に考えて悩んだ時間そのものが、すでに大切な積み重ねです。

 親が一生懸命悩んで出した結論なら、それが正解なのだと思います。

(ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ)

【画像を見る】べっこうあめアマミさんのイラスト

画像ギャラリー

1 2

べっこうあめアマミ(べっこうあめあまみ)

ライター、イラストレーター

知的障害を伴う自閉症の息子と「きょうだい児」の娘を育てながら、ライター、電子書籍作家として活動。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害のある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信をツイッター(https://twitter.com/ariorihaberi_im)などの各種SNSで続けている。障害児育児をテーマにした複数の電子書籍を出版し、Amazonランキング1位を獲得するなど多くの障害児家族に読まれている(https://www.amazon.co.jp/dp/B09BRGSY7M/)。「べっこうあめアマミ」というペンネームは、障害という重くなりがちなテーマについて、多くの人に気軽に触れてもらいたいと願い、夫と相談して、あえて軽めの言葉を選んで付けた。

べっこうあめアマミ(べっこうあめあまみ) 関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

暮らし・ライフ 最新記事

暮らしの記事もっと見る

ライフの記事もっと見る

コメント