若い世代で急増中…“20代”が気を付けるべき「潰瘍性大腸炎」とは? 発症の原因を専門医に聞く
潰瘍性大腸炎の治療法は?
Q.潰瘍性大腸炎はどのように治療するのでしょうか。
柏木さん「潰瘍性大腸炎の治療は、症状を落ち着かせる治療の『寛解導入療法』と、良い状態を保つ治療の『寛解維持療法』の2段階で行われます。現時点では完全に治癒させる根本的な治療法はありません。しかし、適切な治療により症状や炎症を改善し、発症前に近い日常生活を送れる人も多くいます。ただし、薬が効きにくい場合や重症の場合には、治療に難渋するケースもあります。そのような場合には、特に専門医による治療が必要となります。
治療薬には内服薬や坐薬(ざやく)、注腸薬、点滴があります。炎症の部位や患者の希望、生活スタイルなどから選択されます。多くの場合は内服で治療しますが、肛門付近で炎症が起こりやすい病気であることから、坐薬や注腸製剤を使用することもあります。
潰瘍性大腸炎は『5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤』という、腸の粘膜の炎症を抑える薬を第一選択で使用します。5-ASA製剤の内服薬または坐薬や注腸製剤を使用して、多くの場合には5-ASA製剤のみで寛解導入療法および寛解維持療法が可能となります。
5-ASA製剤による副作用で使用できない場合や、炎症が十分に抑えられない場合には、他の薬剤や治療法が用いられることがあります。医師は、患者の年齢や生活スタイル、基礎疾患などを考慮し、病気の重症度や炎症の範囲に応じて、各薬剤の特徴から最適な治療を選択します。また、薬による治療が難しい場合、重症の場合、大腸がんを発症した場合などには、手術が必要となることもあります。
潰瘍性大腸炎の治療は、生涯にわたる治療が必要です。これは重く聞こえるかもしれませんが、治療を医師の指示通りに継続することで、多くの人が寛解を維持できることが明らかになっています。
一方で、薬の飲み忘れが多くなったり、自己判断で治療を中断したりした場合には、再燃する可能性が高いことが分かっています。そのため、寛解期でも継続的な治療が非常に重要です。潰瘍性大腸炎は大腸がんのリスク因子の一つですが、適切な治療を行い、寛解を達成すれば、大腸がんの発症リスクを低下させることができる点も明らかになっています。
潰瘍性大腸炎は、先述のように20代が発症しやすく、長期的な付き合いが必要な病気です。しかし、早期発見や早期治療により、多くの患者が良好な状態を維持できるようになっています。早期発見、早期治療を行うことで、『症状の増悪や再燃を防ぐことができる』『手術を避けられる可能性が高まる』『大腸がんのリスクを低減できる』『日常生活への影響を最小限にできる』というメリットがあります。血便や持続する下痢などの症状がある場合は、自己判断せず早めに消化器内科・胃腸科を受診してください」
(オトナンサー編集部)










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