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【耳掃除】やり過ぎても、サボってもNG 医師が教える最適な頻度&注意点

耳掃除の最適な頻度や耳掃除をサボった場合のリスクなどについて、耳鼻科・総合診療医に聞きました。

耳あかを取り除くのに最適な頻度は?(画像はイメージ)
耳あかを取り除くのに最適な頻度は?(画像はイメージ)

 新陳代謝が活発な人は、耳あかがたまりやすいといわれています。その際、綿棒や耳かきを使って耳あかを取り除きたくなるとは思いますが、小まめに耳掃除をしても問題はないのでしょうか。耳掃除の最適な頻度や耳掃除をサボった場合のリスクなどについて、耳鼻科・総合診療医の五藤良将さんに聞きました。

耳掃除は「2週間から1カ月に一度」を目安に

Q.耳の溝にあかがたまりやすい人とたまりにくい人がいますが、なぜなのでしょうか。

五藤さん「耳あかは代謝の良さ、悪さによってたまりやすい人とたまりにくい人がいらっしゃいますね。耳あかがたまりやすいからといって、掃除が足りていないというわけではありません。耳あかには、耳の外から侵入してきた小さなちりやほこりをからめ取って、耳の奥に入ってしまうのを防ぐという重要な役割があるのです。

耳あかは遺伝によって、乾いているものと湿っているものの2種類があります。日本人を含め、アジア人はどちらかというと、耳あかが乾いている人の方が多いといわれていますね」

Q.耳の溝に耳あかがたまりやすいときは、どうすれば良いでしょうか。小まめに耳掃除をしても問題はないのでしょうか。

五藤さん「溝にたまってしまう耳あかは自然に排出されにくいため、綿棒などを使って優しく拭き取っていただくと良いですね。ただし、毎日やれば清潔というわけではなく、耳を傷つけてしまうリスクがあります。また、耳あかには汚れの吸着のほか、繊細な耳の周囲の皮膚を守るといった効果もあるため、耳掃除は2週間から1カ月に一度程度を目安にしていただくと良いですね」

Q.では、耳掃除をし過ぎたり、耳あかを放置してしまったりすると、実際にどのような症状が出る可能性があるのでしょうか。

五藤さん「先ほども少し触れましたが、耳掃除を頻繁に行ってしまうと、綿棒や耳かきによって耳周辺の皮膚や耳の穴の中を傷つけ、炎症や細菌感染を引き起こしてしまうリスクが高まります。

反対に、耳掃除をせずに耳あかがたまった状態が長く続くと、『耳垢栓塞(しこうせんそく)』という耳の穴が耳あかでふさがってしまう症状が現れる可能性もあります。耳の穴がふさがれてしまうと、聞こえ方が悪くなったり、耳鳴りや耳が詰まったりといった感覚が現れます。ご自身で耳あかを取り除こうとすると、さらに奥に押し込めてしまったり、傷をつけたりしてしまうリスクが高く危険なので、医療機関を受診して取り除く形になりますね」

(オトナンサー編集部)

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五藤良将(ごとう・よしまさ)

医療法人社団五良会 理事長/竹内内科小児科医院 院長/耳鼻科・総合診療医

防衛医科大学校を首席卒業後、自衛隊医官として国内外の医療現場で小児から高齢者まで幅広い患者の診療に従事。日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学会専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医など多数の専門資格を有する。

竹内内科小児科医院では、小児科・内科の両面から乳幼児健診、予防接種、発達や生活習慣に関する相談まで幅広く対応。地域の学校医・園医としても長年子どもの健康を見守っている。

テレビやラジオ、新聞、雑誌、ウェブメディアなど多数出演し、Yahoo!ニュースや東洋経済オンラインなどで医療監修を務める。わかりやすく、正確で信頼できる健康情報の発信を心掛けている。

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