ティラミス、どら焼き、ピスタチオ味の「豆乳」 キッコーマンが攻めるワケ
キッコーマンソイフーズが、「ティラミス」「どら焼き」「ピスタチオ」といった変わった味の豆乳飲料を販売するのはなぜでしょうか。同社に聞きました。

健康志向の高まりで豆乳市場が拡大しています。日本豆乳協会(東京都千代田区)によると、2021年の豆乳類全体の国内生産量は42万3969キロリットルで、2010年と比較すると倍増しています。
中でも、国内シェアトップのキッコーマンソイフーズ(東京都港区)が販売する、味付きの「豆乳飲料」が人気です。「麦芽コーヒー」「バナナ」「ココア」「抹茶」などのロングセラー商品のほか、「ティラミス」「どら焼き」「ピスタチオ」といった変わった味も販売されており、その味付けは25種類以上に及びます。なぜこれほど多くの種類の豆乳飲料を開発、販売しているのでしょうか。同社の担当者に聞きました。
100種類以上の商品を開発
Q.まず、豆乳飲料を発売した時期や現在の商品数について、教えてください。なぜ、これほど多くの種類の豆乳飲料を開発・販売しているのでしょうか。
担当者「1981年に『麦芽コーヒー』を発売し、その後、100種類以上の商品を開発、販売してきました。2022年11月末現在で26種類を販売しており、『麦芽コーヒー』『紅茶』『バナナ』などが人気です。
当社が豆乳飲料の商品ラインアップを充実させているのは、豆乳を飲んだことがない人にも興味を持っていただき、ぜひ飲んでいただきたいと考えているからです」
Q.1年間にどの程度の商品を開発しているのでしょうか。
担当者「3~4種類です。企画段階では30種類ほどの案が出ます。世の中の食品、飲料、嗜好(しこう)などの変化を捉えた上で企画・開発しています」
Q.新商品を発売してから販売を終了するまでの期間や、過去に販売したユニークな商品について、教えてください。
担当者「『麦芽コーヒー』『バナナ』など、30年以上のロングセラー商品がある一方で、発売後1年未満で販売を終了する商品もあります。過去には『無炭酸シリーズ』として『健康コーラ』『健康ラムネ』といった商品のほか、『甘酒』『よもぎ餅』『爽香杏仁』などの商品も販売していました。通年商品のほかに、『焼きいも』など、季節限定で販売する商品もあります」
Q.プレーンの豆乳と比較した場合、栄養的な面で違いはあるのでしょうか。
担当者「JAS規格で、原料が大豆のみの『無調整豆乳』は大豆固形分(大豆成分)を8%以上含み、『調製豆乳』は6%以上、『豆乳飲料』は果汁系の味が2%以上、それ以外の味は4%以上と定義されています。
タンパク質など大豆の栄養成分は少なくなりますが、バナナなどの味付けをしているため、豆乳に苦手意識がある人でも手軽に大豆の栄養を取ることができます。食物繊維やビタミンEなどを配合して付加価値をつけた豆乳飲料もあります」
Q.夏には凍らせて食べられることが話題となりました。冬は温めて飲むこともできますか。
担当者「寒い季節は温めると豆乳の甘みが引き立ち、一層おいしくお飲みいただけます。なお、パックのままでは電子レンジで温められないので、必ず耐熱容器など別容器に移してから温めてください」
Q.多彩な商品に対して、消費者からはどのような意見が寄せられていますか。
担当者「『もはや豆乳ではない』『次の新味の発売を楽しみにしています』『○○味を開発してください』『パッケージがかわいい』といったご意見を頂いています。SNSでの投稿が多く、キッコーマングループの中でも豆乳に関する投稿数は突出しています」
Q.今後、発売を予定している味はありますか。
担当者「秘密ですが、今後もお客さまにワクワクしていただけるよう、あっと驚くユニークな味はもちろん、幅広い商品ラインアップで皆さまの健康的な食生活を応援していきたいと考えています」
(オトナンサー編集部)
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