吹かない年もある?「木枯らし1号」 「2号」「3号」はないの? 気象庁に聞いてみた
「木枯らし1号」とは、そもそもどういうものなのでしょうか。「木枯らし2号」「3号」はないのでしょうか。気象庁に聞きました。

冬の訪れを告げる「木枯らし1号」が、今年は立冬(今年は11月7日)を過ぎても発表されていません(11月12日時点)。昨年、東京地方では発表がなかったという「木枯らし1号」とは、そもそもどういうものなのでしょうか。「木枯らし2号」「3号」はないのでしょうか。気象庁天気相談所の担当者に聞きました。
東京と近畿、期間に違い
Q.「木枯らし1号」とは、どういうものを指すのでしょうか。
担当者「晩秋から初冬にかけて、冬型の気圧配置となって吹く、初めての北よりのやや強い風のことを言います。発表しているのは、東京地方と近畿地方で、それぞれに基準があり、総合的に判断しています。
東京の基準は次の通りです。
・期間は10月半ばから11月末までの間
・気圧配置が西高東低の冬型となって、季節風が吹く
・東京における風向が西北西~北
・東京における最大風速が、おおむね風力5(風速8メートル/秒)以上
近畿地方の場合は、東京と期間が違い、霜降(10月24日ごろ)から冬至(12月22日ごろ)までの間で、判断して発表します」
Q.なぜ「木枯らし1号」を発表しているのでしょうか。
担当者「季節のお知らせの一つです。冬の訪れを告げるものとして、報道機関などの要望があって発表を始めました。元々は、日本気象協会の雑誌『気象』で、毎年の天候の推移の中で、『木枯らし1号』という言葉を載せるようになり、後追いで気象庁が基準を設定し、発表するようになったものです」
Q.なぜ東京と近畿だけなのでしょうか。
担当者「要望があったという点と、そもそも木枯らしが吹くのは太平洋側ということがあります。地形的にも、平野があって、ある程度の高さの山もある地域、ということで、東京と近畿のみになっています」
Q. 木枯らし2号や3号はないのでしょうか。
担当者「木枯らし自体は冬に何度も吹くものです。似たような現象を何度も発表することはありません」
Q.昨年の東京地方のように、「木枯らし1号」が発表されない年もありますが、木枯らし1号がないということは、暖冬になりそうということなのでしょうか。
担当者「木枯らし1号の基準に合うようなことが、基準の期間中に起きなかっただけです。風が弱かったとか、時期が後になったとかで、冬型の気圧配置で北よりのやや強い風が吹くことが、基準の期間になかったということです。冬の訪れがずれた可能性はありますが、だからといって暖冬になりそうだといったことは言えません」
Q.今年の木枯らし1号はいつごろになりそうでしょうか。
担当者「特に予想はしていません。予報の天気図で、冬型の気圧配置になると可能性はあります」
(オトナンサー編集部)
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