【年収400万円の会社員】給与から引かれる「税金」はいくら? 「手取り額」は?
(2)所得税を確認しよう
次は所得税です。所得税は、「(A)課税所得額×(B)税率−(C)税額控除額」の計算式で求めます。まず、(A)の「課税所得額」を求めるには、2段階の計算が必要です。
(1)給与所得を求める
「総支給額(基本給+残業代+手当)−非課税の手当」−「給与所得控除など」
(2)(A)課税所得額を求める
「(1)給与所得+その他の所得」−所得控除
ちなみに、非課税手当の代表例は通勤手当です(極めて高額の場合を除く)。さすがに、通勤手当にまで所得税は課税されないようになっているんですね。
給与所得控除は、「総支給額-非課税の手当」で求めた金額に対して決まっていて、年収400万円(非課税の手当なし)のケースでは「124万円」です。給与所得控除と名前は似ていますが、(1)で求めた金額から「所得控除」というものも引くことになります。所得控除項目にはさまざまあり、生命保険料や医療費、寄付金などが該当します。なお、全ての人に適用される「基礎控除」もあり、その金額は48万円です。
次に(B)の「税率」ですが、(A)の課税所得額によって決まります。年収400万円で今回のケースで課税所得額を算出した場合、税率は5%です。そして最後、(C)の「税額控除額」は、(B)の税率によって連動しており、このケースでは0円です。
では、この計算式に、今回の年収400万円のケースを当てはめてみます。なお、個人によって所得控除などが違うため、このシミュレーションと金額が同じにならないことがあります。あくまで一般的な例として捉えてください。
(A)課税所得額=170万5200円
(1)給与所得:「400万円」−「給与所得控除124万円」=276万円
(2)課税所得:「276万円」−「所得控除105万4800円」=170万5200円
※所得控除=基礎控除48万円+社会保険料控除57万4800円
これで課税所得額が分かったので、あとは(B)税率と(C)税額控除額を当てはめれば、所得税を求めることができます。
(A)課税所得額170万5200円×(B)税率5%−(C)税額控除額0円=8万5260円
よって、このケースの年間の所得税は、「8万5260円」です。
(3)住民税を確認しよう
住民税は、「所得割」(税率10%)と「均等割」(2023年まで5000円)を合算した金額です。所得割も、先述の所得税と同じように計算しますが、基礎控除額は43万円です。所得税の計算式の通りに計算していくと、課税所得金額は「175万5200円」となります(所得割の調整控除は考慮しない)。
所得割の税率は10%ですから、17万5520円です。これに、均等割の5000円を足した「18万520円」が住民税となります。
つまり、今回のモデルケースである「東京都内に住む、年収400万円(賞与なし)、配偶者や扶養家族がいない30代会社員」の人が、年間に支払う所得税や住民税、社会保険料の合計額は「84万580円」となります。そして、これら税金などを差し引いた「315万9420円(月26万3285円)」が手取り額です。
税金や社会保険料の他にも、生活していく上でさまざまなお金がかかります。年収400万円の会社員が、この手取り額で生活・貯蓄していくには、どのような家計のやりくりを行えばよいのでしょうか。理想的な家計と貯蓄額については、次回の記事でご紹介します。
(文/構成・オトナンサー編集部)
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