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貯金が増えない人の救世主? 「先取り貯金」で本当にお金がたまるのか

確実性の高い貯金の方法として、「先取り貯金」があります。貯金が思うように増えなくて悩んでいる人の救世主となる貯金の方法なのか、専門家に聞きました。

「先取り貯金」で本当にお金がたまる?
「先取り貯金」で本当にお金がたまる?

 世の中には、貯金が思うように増えなくて悩んでいる人も多く、さまざまな貯金方法が紹介されています。その中に「先取り貯金」という方法があり、「いつの間にかお金がたまる確実な方法」といわれています。本当に「先取り貯金」で、確実にお金がたまるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの長尾真一さんに聞きました。

貯金が増える確実性は高い

Q.「先取り貯金」とは、具体的にどのような貯金方法で、毎月どれくらいの貯金することが適正なのでしょうか。

長尾さん「『先取り貯金』とは、毎月貯金に回す金額を決め、収入からまず貯金を差し引き、残りの金額で支出をやりくりする貯金法です。支出をする前に貯金してしまうので、確実にお金をためられる方法として推奨されています。

毎月の貯金額は、目的がはっきりしている場合は、その時期と金額から逆算することができます。例えば、10年後に子どもの進学資金として300万円を準備したい場合、300万円÷120カ月(10年間)=2万5000円が1カ月の貯金額になります。

ただし、どれくらいの貯金額が適正かは、家庭によって、あるいは、人によって違います。大切なことは、毎月の可処分所得(手取り収入)と絶対に必要な支出額を正しく把握し、無理のない金額で貯金を長く続けることです」

Q.給料日に手取りの金額の中から、毎月一定の金額を特定の口座に自ら振り込むことは、手間が掛かります。自動的に「先取り貯金」できるシステムはないのでしょうか。

長尾さん「最も一般的なのは、定期預金の自動積み立てです。給与振込口座のある金融機関であれば、申し込み手続きさえすれば、後は何もしなくても自動で積み立てられます。振替日は選択できる場合が多いので、給料日に合わせて設定することもできます。ネット銀行やネットバンキングが利用できる銀行であれば、銀行の窓口に行かなくてもインターネットで申し込み手続きができるので、それほど手間も掛かりません。

ただし、預金金利は超低金利が続いており、利息でお金を増やすことは期待できません。最近は世界情勢や経済情勢の変化で物価が上昇する兆しがあり、もしインフレ(物価上昇)に負けない運用を考えるなら、積み立て投資も選択肢になります。投資はリスクが高いという印象があるかもしれませんが、債券を中心とした投資信託など、比較的リスクを抑えた運用商品もあります。

また、『つみたてNISA』や『iDeCo(イデコ)』など、税制優遇を受けながら積み立て投資ができる制度もありますので、それぞれの制度の仕組みを理解した上で、目的に合わせて利用してみてもよいかもしれません」

Q.「先取り貯金」以外にも、さまざまな貯金方法がよく話題になりますが、本当に「先取り貯金」で、確実にお金がたまるのでしょうか。

長尾さん「『先取り貯金』は、消費する前にお金をためるので、比較的お金がたまりやすく、他の貯金方法よりも確実性が高いのは間違いないでしょう。

多くの人は、手元にお金があると、つい使ってしまいがちです。何に使ったかよく覚えていないけど、気が付くと財布の中のお金がなくなっていた経験は誰しもあると思います。また、目の前に魅力的な商品や楽しそうなイベントがあると、『貯金は来月から』と都合よく先送りしがちです。貯金の一番の敵は、“自分自身の欲や甘え”なのです。

一方で、自動積立定期預金などは、手続きをすれば、お金を引き出せます。いくら先取り貯金をしても、誘惑に負けてお金を引き出してしまえば、意味がありません。『定期預金のお金は絶対に使わない』という強い意志を持つか、自動積み立てのことをしばらく忘れるようにした方がよいかもしれません」

Q.確実性が高いなら、「先取り貯金」しか貯金方法が残らないはずですが、現実にはさまざまな貯金方法が残っています。デメリットがあるからでしょうか。

長尾さん「デメリットは、手間が掛かるということです。自動で先取り貯金をするには、自動積立定期預金や積み立て投資の申し込み手続きが必要です。実際はそれほど手間が掛からないのですが、初めて申し込む人は、なかなか腰が上がらないこともよくあります。面倒なことは“先取り”ではなく、“先送り”してしまうのです。

また、急にお金が必要になったとき、すぐに引き出せないこともデメリットです。自動積立定期預金や積み立て投資では、窓口やネットバンキングで解約や引き出しの手続きが必要で、すぐに現金を受け取れない場合があります。

従って、先取り貯金は無理のない金額で設定し、日常的に使う普通預金口座の残高にも、ある程度の余裕を持っておく必要があります」

Q.「先取り貯金」が向いている人の特徴を教えてください。

長尾さん「お金が手元にあるとつい使ってしまいがちな人ほど、『先取り貯金』を試してほしいと思います。手元になければ使えないので、今までお金をためられなかった人もためることができるかもしれません。

面倒くさがりな人は、自動積立定期預金や積み立て投資の口座開設手続きをするとよいです。最初の行動がハードルになりますが、それさえ乗り越えれば順調にお金をためられる可能性があります。面倒くさがりな人は、小まめに口座残高を確認しないので、先取り貯金も特に意識することなく続け、気が付けば結構な金額がたまっていたということもあるからです。

逆に、小まめに口座残高を確認する人は、先取り貯金も手元にあるお金と同じように『使えるお金』と認識してしまう場合があり注意が必要です。せっかく先取り貯金でお金をためても、定期的に引き出して使ってしまえば、いつまでも貯金は増えません。

貯金を続ける上で大切なことは、自分の意識をコントロールすることです。自分の性格に合った方法を見つけることが何より必要だと思います」

(オトナンサー編集部)

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長尾真一(ながお・しんいち)

ファイナンシャルプランナー

教育資金、老後資金、万が一に備える保険など、生活に関わるお金の不安を解消し、未来に希望を持って暮らしていくためのお手伝いをする「生活設計のコンシェルジュ」として活動中。Life Design Concierge(http://www.bingo-fp.com)。

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