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「乃木坂46」10周年 坂道シリーズの先駆者として走ったグループの軌跡

多様な可能性を投じる場

 所属するメンバーにとっても、各分野のクリエイターとして関わる人々にとっても、多様な可能性を投じるための場――。連続性を持ちつつ、歴史や立ち位置を異にする各グループの土壌としての共通性を捉えるとき、今日的な多人数グループが、どのような性格のエンターテインメントであるのか、その輪郭が少しずつ見えてきます。

 そして、現在のメジャーフィールドにおいて、最も代表的な事例が“坂道シリーズ”の実践ということになるでしょう。

 こうした共通の特性を取り出してみることは、アイドルという、その総体が極めて捉えがたいジャンルを、一つの様式を持った文化として認識するための、一助になるかもしれません。そのような、やや俯瞰(ふかん)的な視野は、アイドル固有の豊かさを評価する際にも、また、しばしば演者自身への理不尽な負荷として表れるような、慢性的なジャンルの問題点を問い返す際にも、踏まえられてよいはずです。

(ライター 香月孝史)

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香月孝史(かつき・たかし)

ライター

1980年生まれ。ポピュラー文化を中心にライティング・批評やインタビューを手がける。著書に「乃木坂46のドラマトゥルギー 演じる身体/フィクション/静かな成熟」「『アイドル』の読み方 混乱する『語り』を問う」(ともに青弓社)、共著に「社会学用語図鑑 人物と用語でたどる社会学の全体像」(プレジデント社)、執筆媒体に「RealSound」など。

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