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東京五輪、無観客は選手にどう影響? 不参加チームも…“メダルの価値”は?

メダルの価値は?

Q.1980年のモスクワ五輪は日本を含む西側諸国がボイコットしました。金メダルなどメダルの価値はどのように評価されているのでしょうか。

江頭さん「モスクワ五輪へ参加した国と地域は81で約5200人の参加でした。当時は東西冷戦の真っただ中で、前年1979年12月に起きたソ連のアフガニスタン侵攻を『国際法違反だ』として、日本を含む西側諸国がモスクワ五輪への参加をボイコット。西側諸国で出場予定だったアスリートが最も大きな被害を受ける結果になりました。

しかし、ソ連のアレクサンドル・ディチャーチン (男子体操)が獲得したメダル8個(金3、銀4、銅1)は個人の一大会最多獲得メダル記録として、国際オリンピック委員会(IOC)に認定されています。また、ソ連は全体でも80個の金メダルを獲得し、最も多くの金メダルをとった国に輝きましたが、ボイコットしたアメリカなどが反論することはありませんでした。ボイコットは自国の意志で行ったことだからです。

ディチャーチンの最多記録には、その後、アテネ五輪でマイケル・フェルプスが並びましたが、今も個人の一大会最多獲得メダル記録として破られずにいます。従って、モスクワ大会のメダルの価値が低いという考え方は存在しない、と考えるのが自然でしょう。東京五輪についても、世界的なパンデミックの中で、ほぼ無観客という異例の形で開催される大会とはいえ、メダルの価値が下がることは考えられません」

Q.中止を求める声もまだ根強くあります。今回の東京五輪に私たち国民はどう向き合うべきなのでしょうか。

江頭さん「世界で初めて、パンデミックの中で開催される五輪です。試行錯誤の連続で誤りもあるでしょうが、開催国が日本でなかったら、もっといろいろな問題が起き、棄権する国も増えたと思います。新型コロナで世界の景色が変わった後の2020年6月25日、サザンオールスターズは横浜アリーナから無観客配信ライブを実施し、約50万人が視聴して歓迎されました。無観客での配信でも感動を共有できるのです。

このときのように、パンデミックの中で、考えて考えて工夫をして、コロナに負けず、開催にこぎ着ける東京五輪を歓迎するしかありません。感染対策で制約の多い中、練習を積み重ねてきたアスリートの勇姿を、私たちはテレビで見て、勇気をもらいましょう」

(オトナンサー編集部)

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江頭満正(えとう・みつまさ)

独立行政法人理化学研究所客員研究員、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事

2000年、「クラフトマックス」代表取締役としてプロ野球携帯公式サイト事業を開始し、2002年、7球団と契約。2006年、事業を売却してスポーツ経営学研究者に。2009年から2021年3月まで尚美学園大学准教授。現在は、独立行政法人理化学研究所の客員研究員を務めるほか、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事、音楽フェス主催事業者らが設立した「野外ミュージックフェスコンソーシアム」協力者としても名を連ねている。

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