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犬はよく聞くけど…「猫」の性格や行動、飼い主に似ることはある?

「飼い犬は飼い主に似る」という言葉がありますが、犬と同じく代表的なペットである「猫」も、性格や行動が飼い主に似ることはあるのでしょうか。

犬も猫も飼い主に似る?
犬も猫も飼い主に似る?

「犬は飼い主に似る」という言葉があります。ペットの犬は飼い主が散歩に連れて行くなど、一緒に過ごす時間も長いため、性格や行動が飼い主に似ることもあると思います。では、犬とともに代表的なペットである「猫」も、性格や行動が飼い主に似ることはあるのでしょうか。獣医師の増田国充さんに聞きました。

周囲の環境をどう感じているか

Q.ペットの犬は飼い主に性格や行動が似てくるといわれます。事実でしょうか。

増田さん「全てではないものの、事実といえるケースはあります。動物病院で診療を行っていると、飼い主とその犬の性格が似ていると思う事例があるからです。それも、決して珍しいわけではないというのが個人的な印象です。

実際に、飼い主の性格と犬の性格について調査した学術リポートがアメリカで発表されています。1681匹の犬それぞれの飼い主に、飼い主自身とその犬の性格についてアンケートを行ったところ、例えば、神経質な飼い主の場合、その犬の性格を『怖がり』と回答している割合が高いなど、飼い主と犬の性格に相関関係があることが分かりました。

調査結果の一例ではありますが、犬の性格を形成する要因の一つに環境によるものがあります。例えば、トレーニングや声掛け、運動、散歩などにおいて、飼い主がその犬にどのように接するかで、犬の性格が決まるのであろうと考えられます」

Q.ペットの犬は飼い主のどのような性格や行動について、似てくることが多いのでしょうか。

増田さん「先述したように、ペットの犬に対する飼い主の接し方が犬の性格に反映されるのではないかと思います。例えば、いつもニコニコして、陽気で明るい性格の飼い主は犬にだけ、スパルタで接することはあまりないように思います。そのため、飼い主を見た犬は陽気でいることがよいことだと認識する、あるいは、それが普通だと解釈するのかもしれません。その逆もしかりだと思います。

一方で、飼い主が自分の性格と似た犬種を選ぶ傾向があることから、結果的に飼い主と性格が似るという側面もあると思います。アウトドアが好きな人は、例えば、ゴールデンレトリバーのような、オープンで好奇心旺盛、活動的な性格の犬種をパートナーに選ぶことが多いのではないでしょうか。

このように、人の性格が犬の性格の方向性を決める一要素になっている可能性も考えられますし、人の性格が自身と似た犬を選んでいる側面もあると思います。とはいえ、犬の性格の形成には犬種や性別、親からの遺伝的な要素、環境による影響などが複合的に関係しており、『飼い主の性格=犬の性格』と単純に決めつけられるものではありません」

Q.犬が飼い主に似るとしたら、ペットの猫も性格や行動が飼い主に似ることはあるのでしょうか。

増田さん「猫の場合は、飼い主の性格と猫の性格の関係を調べた詳細な資料が少ないため、性格や行動が飼い主に似るかどうか、はっきりとしたことは言えません。ただ、犬は元来、群れで行動し、主従関係を確立させて生活してきたので、その群れのリーダーの性格や行動の影響を受けやすいとされています。一方、猫は個々で行動することが多く、その状況に応じて、あるいは、自身が安全だと判断した場合に心を許すことが多いとされています。

つまり、猫の性格は、周囲の環境を猫自身がどのように感じたかで性格や行動が決まる傾向があり、必ずしも、飼い主の性格と関連するわけではないと考えられます」

Q.ペットの猫の性格は飼い主の性格や行動に左右されないということですか。

増田さん「飼い主の性格や行動には左右されにくいと思います。例えば、家庭で複数の猫を飼っている場合でも、それぞれ性格が全く異なることは珍しくありません。飼い主やその家族との相性も猫によって、さまざまであることも多いです。猫と友好的だったものの、たまたま猫をなでようとしたときに大きな物音がしたことで、それを機会に疎遠になったという話も聞きます。猫の品種によっては、そもそも、人になじみにくいというケースもあります」

Q.怒りっぽい、飽きっぽいなど人間には短所とされる性格があります。ペットの犬がこうした性格になってしまい、それを直したい場合、飼い主はどのように対応すればよいでしょうか。

増田さん「人の性格がなかなか変えられないのと同様、犬の性格もなかなか変えられません。犬の場合は、社会化を学習する1歳までの間にある程度の性格が確立されると考えられます。そのため、人間の短所とされる性格にならないためにも、1歳までの間にパピーパーティー(犬のしつけ教室)などで、人間や他の犬との接し方の経験を積んでおくことが重要です。できれば、ドッグトレーナーに相談しながら対策を考えるとよいと思います。

もっとも、成犬になったら対応できないというわけではありません。犬は成犬であっても比較的、性格を外部の環境に順応させやすいと考えられています。時間をかけて信頼関係を構築していくことで、成犬になっても性格を変えることは可能です」

(オトナンサー編集部)

増田国充(ますだ・くにみつ)

獣医師

北里大学卒業。愛知、静岡県内で勤務後、2007年にますだ動物クリニックを開院。一般診療のほか、専門診療科として鍼灸や漢方をはじめとした東洋医療を行っている。国際中獣医学院日本校事務局長兼中国本校認定講師、中国伝統獣医学国際培訓研究センター客員研究員、日本ペット中医学研究会学術委員、AHIOアニマルハーブボール国際協会顧問、専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師。ますだ動物クリニック(http://www.masuda-ac.jp)。

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