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コンビニにも登場! 体に優しい「塩なしカレー」、おいしく作るコツは?

カレーには、ある程度の塩分が含まれており、高血圧などの持病を抱えた人にとってはハードルの高い料理かもしれません。食塩を使わずに、カレーを作ることはできるのでしょうか。

食塩を使わずにカレーを作れる?
食塩を使わずにカレーを作れる?

 新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、自宅で調理をする機会が増えた人も多いのではないでしょうか。比較的手軽な料理としては「カレー」が人気ですが、一定量の塩分も含まれており、高血圧や腎臓病、糖尿病などの持病を抱えた人にとっては食べにくい料理でもあります。そんな中、健康志向を意識してか、食塩を一切使わないカレーを販売するコンビニも登場しています。

 食塩を使わずに、おいしいカレーを作ることはできるのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

野菜がカレーのうま味を引き立てる

Q.そもそも、カレーにはどれくらいの塩分が含まれているのでしょうか。

関口さん「カレー1食分に含まれる塩分量は、約2グラムです。厚生労働省は1日当たりの塩分摂取量について、成人男性で7.5グラム未満、成人女性で6.5グラム未満をそれぞれ推奨値に定めています。高血圧の人や腎疾患を抱えている人はさらに少なく、6グラム未満とされています。

私たちは日々、食品からナトリウムを摂取していますが、塩分に換算すると1日当たり約1.5グラムです。そう考えると、塩分の摂取推奨量からその数値を引いた分が、調味料から摂取してもよい塩分量です。1食で2グラムは、6グラム未満の摂取制限がある人にはやや多い数値です。ちなみに、ラーメン1食分に含まれる塩分量は約6グラムだそうです」

Q.なぜ、料理に塩を入れるのでしょうか。食塩を使わずにおいしいカレーを作ることはできますか。

関口さん「私たちの体にとって、塩分は必要不可欠です。体液の塩分濃度は0.9%で、いくつかのホルモンによって常に一定に保たれています。塩分を欲するのは生まれながらの欲求で、調理学においても、0.8~1.1%の塩分濃度が最もおいしく感じるとされています。

また、塩にはうま味を引き出す効果があり、料理に入れるとおいしく感じます。これは対比効果と呼ばれ、2種類以上の異なる味を一緒に口にしたとき、どちらか一方、または両方の味を強く感じる現象のことです。スイカやトウモロコシに塩を振ると甘みが強く感じられるのも、この原理です。これらのことから、カレーにも塩を入れているのだと考えられます。

食塩が入っていないカレーを食べると、食べ慣れない味で違和感は当然あると思います。ただ、食塩を使わなくても、野菜や豆、動物性食品に含まれるアミノ酸によってうま味を感じることはできます。おいしく感じるかどうかは個人によって差がありますが、食材の持つ味を引き出すことで、うま味の強いカレーを作ることができます。

食塩を使わないカレーは塩分量を自分で調節できるため、そのまま食べることはもちろん、体調面や個人の好みによって足せるため、ニーズはあるかと思います」

Q.それでは、食塩を使わないカレーを作る際に必要な材料は。

関口さん「カレーのベースは野菜です。タマネギやトマトは、うま味となるグルタミン酸を多く含むのでおすすめです。その他の香味野菜としてニンニク、ショウガ、セロリなども挙げられます。グアニル酸といううま味成分が多いキノコ類も、煮詰めるとうま味が増してきます。このほか、大豆やひよこ豆、レンズ豆などの豆類、魚介類、肉類といったお好みの具材をぜひ加えてみてください。

スパイスはカレー粉を使うのが一番手軽ですが、ガラムマサラやパプリカパウダー、コリアンダー、クミン、カルダモンなど、カレー粉に含まれるスパイスを追加してもよいでしょう。また、おいしさに重要なのは油です。米油や菜種油、ココナツオイル、バターなどをお好みでお使いください。

カレーのレシピはさまざまですが、例えば、ヨーグルトのほか、豆を使ったカレーであれば、甘みのある香りが特徴のシナモンを追加すると一種のスイーツのような味わいにもなります」

Q.香辛料そのものに、塩分は含まれているのでしょうか。辛いカレーほど塩分が多く含まれているのですか。

関口さん「香辛料は主にハーブや野菜、種子などを乾燥させて粉にしたものです。塩分は含まれていません。ナトリウムは含まれますが、気にするほどの量ではありません。カレーの辛さと塩分量は比例せず、あくまで辛味をつけるスパイスの量の違いです。そのため、食塩を使わずにカレーを作る際も、スパイスは問題なく使えます。

むしろ、スパイスは薬として使われていた時代もあるほど、さまざまな健康効果があることで知られます」

Q.食塩不使用のカレーと相性のよい料理はありますか。

関口さん「前述の対比効果に基づくと、スパイスの辛味に酸味や甘みのあるものを合わせると、よりカレーのうま味や風味を感じやすくなると思います。グレープフルーツのマリネ(グレープフルーツ、オリーブ油、バジルで調理)やタマネギの蜂蜜漬け、ニンジンとレーズンのマリネ(甘酢)など、献立にコントラストをつけるような料理をぜひ組み合わせてみてください」

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。

■オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/
■YouTubeチャンネル「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」(https://www.youtube.com/channel/UC6cZRYwUPyvoeOOb0dqrAug

管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン

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