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わが子が「コミュ障」と呼ばれないように、親が意識すべき3つのNG行動

「コミュ障」という、コミュニケーションが苦手なことを指す俗語があります。わが子が将来、「あの人、コミュ障だね」と言われないために、気を付けるべきこととは――。

子どもの会話力を育てるには?(C)あべゆみこ
子どもの会話力を育てるには?(C)あべゆみこ

「コミュ障」という言葉があります。コミュニケーション、他人との会話が苦手なことを指す俗語で、自閉症に代表される発達障害とは意味が違います。

 人と人が交わる場面で「会話力」は大切です。わが子が将来、「あの人、コミュ障だね」などと言われないために、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。

「自分の気持ちを受け止めてもらう」経験

 コミュニケーションとは「意思の疎通」「心の通い合い」といった意味でも使われます。つまり、自分が言いたいことだけを一方的にまくしたてるのではなく、相手の言い分をしっかり聞くことです。これは、相手の人格や考えを尊重している姿勢に他なりません。

 では、この「相手の気持ちが分かるようになる」ためには、どうすればよいのでしょうか。それには「自分の気持ちを他者に受け止めてもらった経験」が欠かせないのです。

【NG行動1:親の都合を押し付ける】

 夕飯の支度中、「ねえ、ねえ、ママ、今日幼稚園で…」「ママ、遊んで」と子どもが話しかけてきても、家事の手を休めて相手をするわけにはいきません。そんなとき、「今、お母さんは忙しいの! あっち行ってて!」などと言うのは、大人の都合の押し付けになってしまいます。

「今ね、夕飯の準備で手が離せないから待っていてくれる? これが終わったら、お話聞くから」と、きちんと「相手をしてやれない理由」を話して納得させましょう。そして、後で話を聞いてあげましょう。

【NG行動2:譲り合いを優先させる】

 一緒に遊んでいるAちゃんとBちゃん。Aちゃんは、Bちゃんが遊んでいるおもちゃを奪い取ろうとしますが、Bちゃんは貸そうとしません。たいていの親は、このような子どもたちの様子を見ていて、次のように叱ります。

Aママ「お友達が触っているおもちゃを欲しがったらだめでしょ!」
Bママ「意地悪しないで貸してあげなさい」

 AちゃんもBちゃんも「おもちゃで遊びたい」のです。しかし、親から、「あなたの気持ちなんてどうでもいいの。お友達に譲りなさい」と叱られると従わざるを得ません。Aちゃんは「『ごめんなさい』をしなさい」と命じられ、Bちゃんは「意地悪するな」と言われ、自分に湧き起こる感情をぐっと押さえます。

 しかし、残念ながら、これでは相手の気持ちが分かる子には育ちません。自分の気持ちを親に受け止めてもらっていないからです。この場合、子どもには不満だけが残ります。「平和な解決ができた」と錯覚しているのは、残念ながら親だけです。

 どちらの親も、次のように子どもの気持ちを受け止めましょう。

Aママ「あのおもちゃで遊びたいよね(共感)。でも、いきなり奪い取るのではなく『貸して』ってお願いしてみよう」
Bママ「まだ遊んでいたいよね(共感)。でも、貸してほしいんだって。どうする?」

 もし、これでBちゃんが譲ってくれなくても構いません。なぜならAちゃんは、貸してもらえない経験を通して「相手にも都合がある」ことを学びます。そして、Bちゃんは、自分が貸してもらえない立場の場面に出くわしたとき、過去の自分の経験を思い出し、相手の気持ちが分かるようにもなります。親しいママ友の間でないと難しいかもしれませんが、ぜひやってみてください。

【NG行動3:つい、単語に反応してしまう】

 わが子の考えていることを、親は顔色を見ただけで分かります。しかし、他人はそういうわけにはいきません。小学生でも、「先生、消しゴム! 消しゴム!」と叫んでいる子がいますが、これだけでは「消しゴムが落ちています」と言いたいのか、「消しゴムを忘れてしまったので貸してください」と言っているのか、分かりません。

 例えば、家庭で「ママ、水!」と言えばサッと飲み物が出てきたり、黙っていても親が子どもの顔色を見て「○○をしてほしいのね」と察したりするなど、先回りする過保護な親の元で育っている子どもは、外でも同じことをしてしまいます。

「ママ、水ください」ときちんと言わないと、相手に伝わらないことを教えましょう。「ママ、水」、あるいは「ママ、ジュース」と言われたら、「え、どこに?」なんて、とぼけてみてもいいかもしれませんね。

まず、親が子どもの話をよく聞く

「ママ、ジュース」には「え、どこに?」と返してみる(C)あべゆみこ
「ママ、ジュース」には「え、どこに?」と返してみる(C)あべゆみこ

 今後、SNSがますます普及し、リアルに相手と言葉のやりとりをする場面は減っていくでしょう。そうした中で、子どものコミュニケーション能力を育てるためには、まず親が子どもの話をよく聞くことです。ママ友同士の人間関係や親の都合を優先し、子どもの気持ちを無視することのないようにしたいものです。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。著書は「1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ」「はずれ先生にあたったとき読む本」「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」など多数。ノンフィクション「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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