口座を持っているだけで手数料? 銀行が「口座維持・管理手数料」を検討する背景とは
「取り付け騒ぎ」に発展する可能性は?
Q.「手数料を取られるなら預金を引き出す」という動きが特定の銀行で相次ぎ、預金が極端に減ると銀行はどうなる可能性がありますか。「取り付け騒ぎ」も起き得るのでしょうか。
長尾さん「通常は、預金者はいつでも自分の口座からお金を引き出せますが、もし多くの預金者が一斉に引き出そうとすれば、銀行の現金が不足してパニックになり、いわゆる『取り付け騒ぎ』になってしまいます。
1973年には、女子高生の雑談がきっかけで風評が広がり、わずか数日間で20億円以上が引き出され大混乱した『豊川信金事件』がありました。また、戦前の1927年には、当時の大蔵大臣が、実際には破綻していなかった東京渡辺銀行を『破綻した』と発言してしまったために取り付け騒ぎが起き、本当に破綻してしまった事例もあります。
現在はメディアやインターネットの発達で、個人でも正確な情報にアクセスしやすくなっており、また、国の預金保険制度によって1金融機関につき預金者1人当たり元本1000万円までとその利息が保護されるため、うわさによるパニックは起こりにくいでしょう。また、銀行は自己資本比率規制などによって一定の財務の安全性が確保されており、ある日突然、預金が底をつく可能性は低いと考えられます。
ただし、長引く超低金利や人口減少などによって、特に地方銀行の経営は厳しくなっており、口座維持・管理手数料導入の流れの中で、銀行同士の合併や経営統合が今後さらに増えるかもしれません」
Q.もし、自分が預金している銀行が口座維持・管理手数料を取ることになったとしたら、家計の自衛策は。
長尾さん「口座維持・管理手数料が掛かることになれば、手数料に見合ったサービスが受けられるのか、手数料体系とサービス内容について改めて複数の銀行をよく比較した方がよいでしょう。また、複数の銀行に口座を持っている場合は、特に理由がなければ、できるだけ集約した方が効率的かもしれません。
そもそも、長引く超低金利によって、銀行預金では資産を増やせなくなっていますので、長期的な資産形成を考えると、銀行預金だけでなく、iDeCo(個人型確定拠出年金)や積立NISAなど税制優遇が受けられる制度を使って運用することも選択肢として考えてみてもよいかもしれません」
(オトナンサー編集部)

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