オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

×

柿を「干し柿」にするメリットや干し方は? どれくらい日持ちする?

地方に行くと、民家で干されているのをよく目にする「柿」ですが、どのくらい日持ちするのでしょうか。また、白い粉の正体とは。

季節の風物詩「干し柿」
季節の風物詩「干し柿」

 秋の果物の一つとして名前が挙がる「柿」。甘柿の皮をむいて、そのまま食べるのもおいしいですが、渋柿を乾燥させて「干し柿」にしてもおいしく食べられます。地方では、民家の軒先に柿が干されている光景を見かけることがありますが、干し柿はどのくらい日持ちするのでしょうか。また、表面を覆っている“白い粉”の正体は一体何でしょうか。奈良県農業研究開発センター研究開発部加工科の担当者に聞きました。

干し柿にすることで糖分が凝縮

Q.干し柿が作られるようになったのは、いつごろなのでしょうか。

担当者「奈良時代の正倉院文書に、干し柿購入の記録があります。古くから作られているようです」

Q.地域によって違いがあると思いますが、柿の収穫が盛んな時期は。また、柿を干す時期は。

担当者「奈良県の場合、露地柿(ビニールハウス内ではなく外で栽培している柿)は9~12月に収穫されます。また、柿を天日で干す時期は一般には、乾燥が進み、気温が低下する11月ごろからが適期となります。

干し柿には、柔らかくて水分が多い『あんぽ柿』と、硬くて水分の少ない『ころ柿』があります。干す期間は、原料果実の大きさやそのときの天候によりますが、天日干しの場合、あんぽ柿で2~3週間、ころ柿で1カ月程度です。仕上がりの目安は、あんぽ柿は通常時の2分の1の重さ、ころ柿は通常時の3分の1の重さになったときです」

Q.なぜ、柿を干すのでしょうか。

担当者「干すことによって渋味をなくし、保存性を高めて日持ちを良くするためです。干し柿は生の果実に比べて水分が減少することから、糖分などの成分が凝縮され甘みが増します。凝縮された結果、干し柿100グラム当たりの成分は通常の柿に比べ、食物繊維やビタミンAなどが豊富になります」

Q.干し柿にすると、どのくらい日持ちするのでしょうか。

担当者「干し柿の水分含量や保存条件によりますが、目安としては、水分の多いあんぽ柿で1週間、水分の少ないころ柿で1カ月です。1個ずつラップなどで包装し、密閉した袋に入れて冷凍することも可能です」

Q.干し柿によっては表面が白い粉で覆われていることがありますが、粉の正体とは。

担当者「白い粉は『柿霜(しそう)』とも呼ばれ、柿からにじみ出た果糖やブドウ糖が結晶化したものです。粉の吹きやすさは品種によって異なります。粉を吹かせるために、干し柿を板の上でゴロゴロと転がし表面を傷つけてから、わらでくるむなどの工夫をしている産地もあります」

Q.渋味を感じなくなる仕組みは。

担当者「柿には、渋味の成分であるタンニンが含まれています。渋味を感じなくなる理由は、乾燥過程でタンニンが細胞内に閉じ込められるという説や、細胞壁の成分と結合して、タンニンが渋味を感じないようになるなど諸説あるため、はっきりとはいえません。ただ、少なくともタンニンそのものが果実から消えていくためではありません」

Q.柿を外に干しておいて、鳥に食べられないのでしょうか。また、干しているときにカビが生えることは。

担当者「食べられることはあります。ただ、渋柿は、渋味が強い間は食べられる可能性は低いと考えられます。乾燥初期は水分が多いため、天候次第でカビが発生することもあります。できるだけ早く果実の表面を乾かすことが重要です」

Q.干し柿を作るときは、直接日光に当てた方がいいのでしょうか。それとも、日陰に干すのがよいのでしょうか。また、室内干しでも、干し柿を作ることはできるのでしょうか。

担当者「基本的に、色よく仕上げるには風通しの良い日陰で干すのがよいです。ただ、先ほども申し上げましたが、速やかに乾燥させることが大切です。失敗を避けるには、最初の1~2日だけでも直射日光に当てて、できるだけ早く表面の水分を飛ばすことを心がけましょう。

室内での干し柿作りは条件が整えば可能でしょう。この場合の条件とは、乾燥を速やかに進めることです。例えば、エアコンや除湿機と扇風機、サーキュレーターを併用して強制的に乾燥を促せば、室内でも干し柿が作れると思います」

Q.干し柿にするのは渋柿が多いと思いますが、甘柿も干し柿にする場合、渋柿と同じ作り方なのでしょうか。

担当者「甘柿でも渋柿と同じような方法で干し柿を作ることができます。一般的に、渋柿は果肉が緻密なため、滑らかな食感の干し柿になりますが、甘柿は果肉が粗いため、干し柿としての食感はあまり優れないとされています。なお、干し柿の糖度は原料果実の糖度や乾燥程度に左右されます」

(オトナンサー編集部)

コメント