「ペットの死」は会社を休む理由になりうるのか
ペットブームとも言える昨今ですが、ペットの死は会社員が会社を休む上での理由になり得るのでしょうか。また、日本における「ペット休暇」の現状はどのようなものでしょうか。弁護士に取材しました。

人によっては、家族同然にかわいがる人もいる、犬や猫などのペットですが、会社員が「ペットの死」を理由に会社を休んだ場合、どのような扱いを受けることになるのでしょうか。また、日本企業における「ペット休暇」の現状はどのようなものでしょうか。
弁護士の牧野和夫さんによると、有給休暇の残っている人が上司の承諾の下、有給休暇を取得して会社を休む分には問題ありません。しかし、有給休暇が残っていない場合には当然、欠勤扱いになってしまいます。「有給を使用しない、または、有給を消化している場合、会社の業務に支障を来たすか否かを問わず欠勤扱いになります」。
また、パワハラでないことを条件として、その重要プロジェクトに影響を与えるリスクがある場合には、重要プロジェクトから外されることも正当化されてしまいます。
「ペット休暇」は人材獲得の手段に?
それでは、日本において「ペット休暇」の導入は進んでいるのでしょうか。
牧野さんによると、ペット関連企業では通常の有給休暇とは別に「ペット休暇」を導入している企業もあります。企業によって忌引休暇や有給休暇の形を取っていますが、各社の“カラー”が出るところでもあります。その一例は以下の通りです。
【アマゾンジャパン】(ペット用品)
通常の有給休暇に上乗せする形で、自分や家族の病気、看護などのために取得できる「パーソナル休暇」を年5日付与しており、これをペットにも拡大した。
【日本ヒルズ・コルゲート】
飼い犬や飼い猫の出産時や飼育開始時に、お祝い金1万円とペットフードが贈られる。さらに、死亡時には弔慰金1万円と忌引休暇1日が認められ、社長から弔電が送られる。ペットフードを取り扱う会社ならではの制度。
【アイペット損害保険】
同居しているペットが亡くなった時、1匹につき休暇3日間(兄弟・姉妹・祖父母が亡くなった場合と同じ)を取得できる「ペット死亡時の忌引」、ペットと過ごす休暇を年2日間、取得できる「ペット休暇」を導入している。犬・猫の医療保険を取り扱う会社ならではの制度。
牧野さんは今後について「ペット休暇は有給休暇とは別に付与するので、会社にとっては負担となりますが、今後は、優秀な人材を引きつけるために活用する企業も増えていくでしょう」と話しています。
(オトナンサー編集部)
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