【漫画】認知症の祖母、外食の前にご飯を食べてしまう… 家族の“工夫”に「ナイスアイデア」「参考になる!」
インスタグラムで公開されているイラストレーターのともろうさんの漫画が「ナイスアイデア!」と話題に。そこで、作者に話を聞きました。

イラストレーターのともろうさんの2つの漫画がインスタグラムで合計800以上の「いいね」を集めて話題となっています。
認知症の祖母と一緒に暮らす作者。日常生活の中で何かと物事を忘れてしまう祖母のために、作者が工夫していることは…という内容で、読者からは「ナイスアイデア」「とても参考になります!」「日々試行錯誤ですね」などの声が上がっています。
介護の負担を減らす“ちょっとしたアイデア”
ともろうさんは、インスタグラムやX、noteなどで作品を発表しています。ともろうさんに作品について話を聞きました。
Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。
ともろうさん「元々は、『認知症の介護は大変だけれど、笑えたり、ほっこりしたりする瞬間もある』ということを発信したくて、明るくのん気な『ばーば』の日常を描いていました。最近は、読んでくださる方々とお話しする機会も増えて、認知症介護をされている方から、『こんなとき、どのようにしていますか?』といった質問や、やってみてよかったことなどを聞かれることが増えました。そこで、一つ一つを個別にお伝えするのではなく、介護生活の中でうまくいったライフハックのようなものも漫画にしてみようと思い、今回の洋服のことやお弁当のことを描いてみました。私の家でうまくいっただけで保証があるような内容ではないですが、同じように認知症のばーばやじーじと向き合う誰かの役に立てたらな、と思っています」
Q.おばあさまが認知症になってからどのくらいたちますか。
ともろうさん「うちのばーばの場合は明確なきっかけがあって、ばーばの長男が病気で亡くなってしまったことが始まりでした。おじが入院して、命が助かるか分からない厳しい状況が続いたとき、ばーばの物忘れはみるみるひどくなりました。でもそのときは、おじが入院していることすら忘れてケロッとしている日もあって。今思うと、無意識に忘れることで、心を守っていたのかもしれません。結局、おじはその病気で亡くなってしまいました。それからはデイサービスに通ったり、たくさんお出かけしたり、塗り絵やクイズの本を試したりなど、何とか進行を食い止めるために頑張っています。それでも少しずつ物忘れは増えていますが、急激に進むようなことは起きていません。明るい性格と、家族思いで優しいところはずっと変わっていないです」
Q.おばあさまとの日々を過ごす中で、ともろうさんが特に気を付けていることはありますか。
ともろうさん「こちらがため込んでしまわないように、正直でいることです。漫画には直接描いていませんが、ばーばの忘れっぷりには私も家族もイラッとしてしまうことがあります。でもそれをため込んでいたらいつか爆発してしまうと思うので、『ちなみにそれ、ばーばに説明するの100回目だよ』などと直接言っています。本気でネガティブにはならないように冗談っぽく言うようにしていて、そうすると『まいったね』などと言って、ばーばも笑ってくれます。これは、芯から明るいばーばの性格に助けられている部分でもあります。ため込みすぎないように正直に接して、もし何か言いすぎてしまっても、基本的にばーばは忘れてくれますし。何事もこちらが気にしすぎないことが大切かな、と思っています」
Q.今回のエピソード以外にも、おばあさまとのやりとりで特に印象に残っていることはありますか。
ともろうさん「お正月に描いた、『ばーばと新年の初さんぽに行く話』です。よく朝のさんぽに行くので、新年だしちょっと遠くまで歩こうかなという気持ちで『どこまで歩く?』と聞いたら、『(埼玉から)海まで行っちゃう?』と提案されました。ちなみにばーばと海まで歩いたことは、これまで一度もありません。こういった予想のできないばーばの発言で、けっこう笑えるときがあります」
Q.おばあさまがずっと覚えていることもあるのですか。
ともろうさん「覚えていてすごいなと思ったのは、元々得意な料理と、私の妻のことです。料理は火が危ないので、ばーば1人にやらせないようにしていますが、たまに一緒に料理をすると、包丁さばきが見事で驚きます。体が覚えているんだと思います。私の妻は、ばーばが認知症になってから新しく覚えた、数少ない人物の1人です。認知症で忘れていくことはもちろん、新しいことや新しい人が覚えられないのも本当に大変なのですが、奇跡的に覚えられたのが私の妻でした。妻と直接会ったのは認知症になってからでしたが、会ってしばらくたった日に突然、『〇〇ちゃん元気?』『また遊びに呼んでね』と楽しそうに話していて。名前もちゃんと合っていて、涙が出そうでした。それだけ大切に感じてくれたのかな、と思うと本当にうれしいです」
Q.作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。
ともろうさん「特に印象に残っているのは、もう亡くなってしまった夫が認知症だったという方から、『夫の介護は最期まで大変だったけれど、漫画を読んで、楽しい会話もあったことを思い出せた』という感謝のコメントをいただいたことです。そんな受け取り方をしてもらえるとは思っていなかったので、驚きと喜びでいっぱいでした。他にも、今同じように介護に向き合う方々から、『気持ちが軽くなった』『前向きに捉えられるようになった』といったコメントをいただくことが多くて、本当に励みになっています。私自身も、ばーばが何かを忘れてしまって気持ちが落ち込むことがあっても、『漫画のネタにしよう』と考えて、気持ちを切り替えられています。そして読んだ方が共感してくれたり、笑ってくれたりすると、1人ではないんだと思えて元気が出ます」
(オトナンサー編集部)







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