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「セーラームーン」の梅毒予防啓発ポスター、“おしおき”されるのはお医者さん!?

梅毒患者の急増を受けて厚生労働省が啓発ポスターを制作。そこに「美少女戦士セーラームーン」が起用され、コピーは「検査しないとおしおきよ!!」に決定。しかし、専門家によると、梅毒検査そのものにも困難があるようです。

「美少女戦士セーラームーン」を起用した厚生労働省の啓発ポスター

 10代後半から30代の女性を中心に、梅毒の患者が急増していることを受け、厚生労働省が予防を啓発するポスターを制作。そこに「美少女戦士セーラームーン」が“起用”され、「検査しないとおしおきよ!!」のキャッチコピーとともに、ネット上などで大きな話題になっています。

 厚労省によると、1990年代から年間1000人を下回っていた梅毒の患者数ですが、今年は10月初旬時点で3000人をオーバー。ほかの先進国に比べて増加が著しく、これまでは男性同士の性交渉による患者が多かったのに対して、男女間の性交渉による患者が増えているそうです。

 こうした事態を受けて、同省では昨年から、女性に梅毒の検査を呼びかけるポスターを作成。10代後半から30代の女性におなじみの「セーラームーン」を起用し、原作者の武内直子さんの承諾を得た上で、決めぜりふ「月に代わっておしおきよ」をもじったキャッチコピー「検査しないとおしおきよ!!」が採用されたといいます。

そもそも検査できる医療機関が少ない

 これによって、梅毒の増加に歯止めがかかれば、「効果があった」ことになりますが、梅毒検査そのものの困難を指摘する専門家もいます。

 ヘルスプロモーション推進センターの岩室紳也代表医師によると、梅毒検査はそもそも、対応できる医療機関がHIVに比べて限られているそう。また、皮膚に症状が出ていれば発見は容易ですが、患者数が少ないこともあって、梅毒の診察歴のない医師は初期症状を見落とす可能性が高いといいます。

 そこで岩室さんは、医師にも性感染症に関する教育が必要であることを提言、その意味では、まずは国が医師を“おしおき”することが重要だと説きます。

 ちなみに岩室さんによると、梅毒は治療が難しい病気では決してないそう。「インフルエンザになったら病院に行き、回復したら日常生活に戻るのと同様に、恥ずかしがらずに医師の診察を受けてほしいです」。

(オトナンサー編集部)

岩室紳也(いわむろ・しんや)

ヘルスプロモーション推進センター(オフィスいわむろ)泌尿器科医

1955年8月13日生まれ。1981年自治医科大学卒業。2010年1月公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター長。2014年4月オフィスいわむろ(ヘルスプロモーション推進センター)を設立。「コンドームの達人」としてテレビやラジオなどさまざまなメディアで避妊の重要性を説く。著書に「いいじゃない いいんだよ」(水谷修、小国綾子共著)など。