「シュガー・ラッシュ:オンライン」Pに聞く、舞台に“インターネット”を選んだ理由
映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」プロデューサーのクラーク・スペンサーさんに単独インタビュー。インターネットを舞台に選んだ理由などを聞きました。

映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」でプロデューサーを務めるクラーク・スペンサーさん。好奇心旺盛な天才レーサー・ヴァネロペ(サラ・シルバーマンさん)と悪役キャラクターのラルフ(ジョン・C・ライリーさん)は大親友ですがある日、ヴァネロペが暮らすゲーム「シュガー・ラッシュ」が故障し、廃棄処分の危機に。シュガー・ラッシュを救うため、ヴァネロペとラルフはインターネットの世界に冒険に出て…映画「シュガー・ラッシュ」の最新作です。
オトナンサー編集部では、スペンサーさんに単独インタビューを実施。インターネットを舞台に選んだ理由や、有名サイトのロゴや社名を使う交渉経緯などを聞きました。
ラルフが自分自身を受け入れる旅
Q.今作の企画は、いつからあったのでしょうか。
スペンサーさん(以下敬称略)「日本では2013年に公開だったと思うのですが、そこから半年くらいたったとき、リッチ・ムーア監督が『もう少しヴァネロペとラルフの話ができるんじゃないか』と言い出しました。
最後にラルフが『ヴァネロペが僕を好きだったら、僕はそんなに悪くなれないよね。僕もそんなに悪くないんじゃないか』と言います。それ自体はかわいいコメントなのですが、自分をヴァネロペの言葉で定義している。人に好かれているから自分が好きというような段階なので、もう少しラルフが自分自身を受け入れる旅が必要だと思いました」
Q.インターネットを舞台に据えた理由は何でしょうか。
スペンサー「一つは、前回の舞台であるアーケードと真逆のところにあると思いました。アーケードゲームの正反対がインターネットだと思ったのです。常に変化していてすごくモダンでキラキラしています。インターネットは世界中の人が毎日使っています。どこの観客でも親近感が湧くと思いました。
もう一つは、インターネットの世界は常に変化し続けていますが、今回は2人の友情が変化しなければいけないということで、インターネットはピッタリだと思いました」
Q.サイトロゴやサイト名を使うためにどのような交渉があったのでしょうか。
スペンサー「インターネットの世界を描くときに、本物のウェブサイトを使ったほうがいいのか、架空のものを作ったほうがいいのかという議論をしました。話しているうちに、観客はほぼ毎日インターネットを使っているので、よく見ているサイトが見えるのは大事なのではないかと思いました。
ロゴを使うだけなら問題ありません。実写映画で車が走っているときに社名やロゴが見えるのと同じで、交渉なしで使えます」
Q.架空のサイト「OH MY DISNEY!」で、ディズニーキャラクターがたくさん出てきますが、選定基準はあったのでしょうか。
スペンサー「ストーリーテリングの視点からは、ヴァネロペが他のプリンセスに出会うことが重要でした。他のプリンセスたちはストーリーのある時点で、自分の運命はここではない他の場所にあると気づきます。それがヴァネロペにも必要でした。
『OH MY DISNEY!』を作ったので、そこでいろいろなキャラクターが出せて、楽しめるなと思いましたが、ストーリーの中にフィットするものでなければなりません。ストーリーを止めてキャラクターの紹介はできません。そういう基準でスターウォーズやマーベルのキャラクターを出しました」
Q.社内のディズニーキャラクターを出すのが大変だったとお聞きしました。どのキャラが一番大変だったのでしょうか。
スペンサー「それは少し違います。今回の話を進める上で、リッチ・ムーア監督が『他のキャラクターを使えるかな』と聞いてきました。私は『何をどう使いたいか話せば大丈夫じゃないか』と答えました。実際にストーリーボード、絵コンテを作って、何を出したいのか見せたら皆喜びました。
マーベルもルーカスフィルムも快くOKを出してくれました。私たちがどれほどキャラクターに忠実でありたいかを知ってもらうために、台本も見せますし、キャラクターが動いているところも見せて確認しました。元々のキャラクターにどれだけ誠意を尽くしているか信頼してもらえたので、サポートしてもらえました」
映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」は12月21日から全国公開。
(オトナンサー編集部)
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