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映画「プリキュア」監督&プロデューサーに聞く、テーマ設定・キャスト・支持される理由

映画「HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」で制作を務めた宮本浩史監督と神木優プロデューサーに単独インタビュー。想い出をテーマにした理由などを聞きました。

(左から)神木優プロデューサー、宮本浩史監督
(左から)神木優プロデューサー、宮本浩史監督

 映画「HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」で制作を務めた宮本浩史監督と神木優プロデューサー。同作は、プリキュアたちの「想い出」を奪う敵ミデンにより、プリキュアオールスターズが小さな姿にされてしまいます。残ったのは「HUGっと!プリキュア」「ふたりはプリキュア」で、想い出を取り戻すため立ち上がる! 2年半ぶりにプリキュアオールスターズが登場する15周年記念作品です。

 オトナンサー編集部では、宮本監督と神木Pに単独インタビューを実施。想い出をテーマにした理由や、幅広い世代から支持されていることについて聞きました。

プリキュアにとってプリキュアの存在とは

Q.想い出をテーマにした理由を教えてください。

神木P(以下敬称略)「最初からやりたいと思っていたのは、プリキュアにとってプリキュアという存在はどういうものか、ということに迫りたいと思っていたので、記憶がなくなることなどもテーマになるのかなと考えていました」

宮本監督(同)「15周年記念作品ということと、自分の映画監督デビューがプリキュアの映画だったので、プリキュアの想い出に感謝でした。プリキュアを見てきてくれた方を満たすことができる映画にしたいと最初に考えました。そういうのがあって想い出がひねり出されてきたのかもしれません」

Q.敵役ミデンはどう考えて作られたのでしょうか。

宮本「設定的な意味ではアイデンティティーを持っておらず、プリキュアの力を利用して何かができる。そのもの自体には、アイデンティティーがあまりないというのは最初から考えていました。最初は記憶の受け皿としての敵キャラみたいなイメージでした。

ビジュアルは、劇中ではわかりやすく、最後の方のシーンにあるように雨を止ませるキャラクターです。自ら雨を止ませることができる力を持っているキャラクターなので『てるてる坊主』の引用です。あとは、子どもにとってわかりやすい記号みたいなもので、家に帰って簡単に作れるというところも意識しました」

Q.ミデンに宮野真守さんを起用された理由は。

神木「ミデンというキャラクターが難しいキャラクターになると話し合っていて、プリキュアを取り込むこともできるし、状況に従って一人称も変わります。その幅を演じられる人を探していました」

宮本「脚本を作っていた時から、相当うまい人じゃないと無理だと話していました」

神木「そうした意味で、宮野さんに力を借りました。本人が演じられているのを聞いて、いろいろなシーンでミデンの感情を表現していただき、本人の声が温かいというか包容力のある声なので、ミデンの本質や本来持っていた優しい気持ちを包んでくれて、宮野さんあってのミデンだと感じました」

Q.幅広い世代から支持されている理由をどう分析されていますか。

神木「一番大きいのは、見てくださった方自身が想い出を持っていることだと感じます。プリキュアもそうですし、友達のこと、壁にぶつかって突破したことなどがないと、感動できなくなっているので、皆さんの経験が素敵だったからこそ、幅広い層に喜んでもらえているのかなと思います」

宮本「普遍性がたくさんあるということだと思います。子どもの頃に憧れていた、楽しかった、苦しかったみたいなものは、人それぞれ違うものもあれば、共通して感じたものもあるのかなと思います。そういうところを、各世代のプリキュアでいろいろなシリーズのスタッフが途切れず描いてきたので、子どもに刺さるものを目指せば大人に刺さるということだと思います」

 映画「HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」は公開中。大ヒット記念「#キュア泣きトレンド入りキャンペーン」が、12月7日午後6~8時に実施されます。

(オトナンサー編集部)

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