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週7本「再現ドラマバラエティー」が求められる理由 俳優起用のチャンスと実話の強み

有名俳優も出演、若手には下積みの場

「突破ファイル」を含めた上記7番組の中で、名のある俳優が演じる番組は、「スカッとジャパン」「シンソウ坂上」「らふすとーりー」、そして「突破ファイル」で4本と半分以上を占めています。また、「仰天」もスペシャル版では、実際に事件に遭った役者本人が再現ドラマに出る時もあります。

 かつては、有名俳優が再現ドラマに出ることは、ほぼありませんでした。それが今や、抵抗感なく登場しているのはなぜでしょうか。

 まず、ドラマ界全体の危機的状況が挙げられます。最近でこそ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON」(フジテレビ系)や「義母と娘のブルース」(TBS系)などの人気によって、ドラマ全体が底上げされている印象がありますが、作品によっては視聴率が1桁になることも多く、所属事務所としては二の足を踏むケースもあるでしょう。

 もちろん、WOWOWなど地上波以外に進出することもできますが、なかなかパイプがないと食い込めない。そこで、比較的簡単に活路を見いだせるのが、再現ドラマとも言えます。また「スカッとジャパン」に、連続テレビ小説「わろてんか」ヒロインに選ばれる前の、葵わかなさんも頻繁に登場していたように、若手俳優にとっては知名度を広め、下積みの場ともなっているようです。

 もう一つ、「再現ドラマバラエティー」の息が長い理由としては、何と言っても、その根幹である「実話」の強みが挙げられます。ドラマや映画にしても、そうしたリアルストーリーは、オリジナルをイチから積み上げるよりも認知度や迫力、説得力が違うように、バラエティー界でも「実体験」は重宝されるのです。

ニッチな領域へ…可能性広がる「再現ドラマ」

 あらゆる“奇跡”やすべての“仰天”ストーリーを網羅してきた「アンビリ」、そして「仰天ニュース」の2大番組から考えると、最近の傾向としては、「スカッとする話」「突破した話」「壮絶な人生を送った日本人」と、テーマが限定的になっている印象があります。つまり、あえて「1つ」に絞ることで番組のカラーを濃くし、オリジナリティーを維持できるというわけです。また、番組内容も一瞬で伝わるため、認知されるスピードも速いと言えるでしょう。

 そんな中、9月27日には、芸能人の両親の出会いと恋愛を小芝風花さんや濱田マリさん、山下容莉枝さんらが演じたスペシャル番組「~両親ラブストーリー~ オヤコイ」(日本テレビ系)が好評を博しました。次はどんな“物語”が再現されるでしょうか。今後に大いに期待したいものです。

(芸能ライター 河瀬鷹男)

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河瀬鷹男(かわせ・たかお)

芸能ライター

キャリアスタートはテレビ番組の制作。2014年頃から、Yahoo!ニュースやLINEニュースなど多くのニュースサイトに記事を配信している。主に、芸能系の分析を得意とする。

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