「女は格下」「子どもを産んで当たり前」 地方の若い女性を悩ます“男尊女卑”の因習
ジェンダーギャップを解消しようと奮闘する自治体も
しかし、地方自治体も手をこまねいているわけではありません。例えば兵庫県豊岡市は、このようなジェンダーギャップをなくすまちづくりを市の主要政策に位置付け、一定の成果が現れてきたことで注目されるようになりました。
同市は2021年3月に「豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略」を策定し、職場や地域、家庭、学校などの分野、対象ごとに体系的に取り組みを開始。
企業主体の働き方改革に関する推進会議や、女性のための人材育成プログラムを立ち上げ、地域啓発推進アドバイザーによる研修、ワークショップなどを展開した結果、企業における職場環境の改善が進み、地域コミュニティーで女性の声が反映されるようになりました。
しかし、残念なことに豊岡市はレアケースに過ぎません。大半の自治体では「ジェンダーギャップ解消が重要」という認識があっても、効果的な取り組みにつながっていないのが実情です。最も大きな障壁になっているのは、そのような根本的な問題を二の次にしてしまう企業や地域のトップの無自覚と現状追認なのです。
このまま地方から若い女性の流出が続けば、最悪のシナリオは、人口戦略会議の推計の通り、大量の自治体が消滅することですが、その中長期的なプロセスで、地方で暮らす若者たちが犠牲を強いられる可能性があります。人口減とともに人材減が急速に進行すれば、産業基盤やインフラが成り立たなくなるからです。
また、「地元を出たくても親が許してくれない」「家族の面倒を見る必要がある」「お金がない」など、都会に行きたくてもそれがかなわず、生まれ育った地域で生活をしていかなければならない若者は一定数いますが、そうした人たちにのしかかる負担は、財政状況が厳しい状況にある地方ほど必然的に増大していく可能性があります。
若い女性たちが激減すれば、「地方は男余り」がデフォルトになって、結婚や子育てどころではなくなることでしょう。不穏な話ですが、地方に残された人々のストレスや不満が蓄積されることは目に見えていますし、いろんなトラブルを引き起こすことになるかもしれません。
今、物価高などによる生活苦が悪夢のような状況をもたらしていますが、最低限必要な産業も人も失われることによって、本当の悪夢はこれから始まるのではないでしょうか。
(評論家、著述家 真鍋厚)











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