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「グッド・ドクター」山崎賢人だけじゃない 主役が精神障害を持つ連ドラがヒットする理由

「欠点がある」からカタルシスは大きい

 上記の作品に共通しているのは、「主人公が子どものような純粋さを持っている」こと。「人間が年齢を重ねるたびに失っていくものを持っているため、周囲の人々に気づきを促すなどの好影響を与えていく」という展開が定番となっています。

 さらに、「欠点はある半面、特別な能力を持つ天才」という設定が加えられることも少なくありません。「ピュア」の主人公・折原優香(和久井映見さん)はオブジェ制作などの芸術的な才能で人を感動させ、「ATARU」の主人公・チョコザイ/アタル(中居正広さん)は膨大な知識と並外れた記憶力で事件を解決しました。同様に「グッド・ドクター」の新堂湊も、驚異的な暗記力を生かした医療知識で、子どもたちの命を救っています。

「コミュニケーションに問題がある」「大半の人ができる簡単なことができない」などの欠点を持ち、周囲からぞんざいな扱いを受けながらも、最後は事件を解決したり、命を救ったりするなどの活躍を見せることで、視聴者により大きなカタルシスを与えているのです。

 医療ドラマには、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)や「ブラックペアン」(TBS系)のような超人的な技術を持つスーパードクターが多いのですが、「グッド・ドクター」の湊は、ここまで手術すらしていません。しかし、医療知識は大門未知子(米倉涼子さん)や渡海征司郎(二宮和也さん)を上回るものがあるなど、スーパードクターとしての顔もしっかり見せています。

 安定した視聴率を稼げる上に、主演俳優の評価も高まりやすく、視聴者も毎週感動できる。「グッド・ドクター」の成功もあって、近いうちにまた精神障害を持つ主人公の連ドラが誕生するでしょう。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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