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実は「加齢」だけじゃない!? 歯茎が下がる4つの原因、歯科医師が解説

鏡を見ていて、自分の「歯」が長くなったように感じたら、歯茎が下がっているのかもしれません。どうして歯茎が下がるのか、その理由を歯科医師が解説します。

あなたの「歯茎」は大丈夫?
あなたの「歯茎」は大丈夫?

 歯磨きをしながら鏡を見ていて、「なんだか歯が長くなったような…」と感じたことはないでしょうか。それは、もしかしたら「歯茎が下がってきている」のかもしれません。歯茎が下がる原因の一つとして「加齢」が知られていますが、実は原因はそれだけではないようです。歯茎が下がってしまうのはなぜなのか、まつむら歯科クリニック(宮城県大崎市)院長で歯科医師の松村賢さんが解説します。

一番の原因は「歯周病」

 歯茎が下がる症状は「歯肉退縮」といい、歯を支えている歯茎が何らかの原因で下がることを指します。冷たいものが染みる、以前より歯が長くなったように見える、歯と歯茎の境目に隙間が見えるようになった……などの心当たりがある場合、歯肉退縮が起きている可能性があります。

 歯茎が下がる主な原因として、次の4つが挙げられます。

【原因(1)歯周病】

歯周病は、歯茎が炎症を起こしたり、歯を支える骨が破壊されたりする病気です。歯周病が進行するにつれて、歯茎が後退していきます。

【原因(2)歯ぎしり、食いしばり】

歯や歯茎に過剰な力がかかるため、歯茎に炎症が起き、歯肉が後退することがあります。

【原因(3)間違ったブラッシング方法】

歯磨き時に力を入れ過ぎていたり、歯ブラシの毛先が間違った方向に当たってしまったりしていると、歯茎を傷つける可能性があります。

【原因(4)加齢】

歯茎も加齢により退化し、萎縮していきます。しかし、歯周病や口内環境がよい場合は、歯肉退縮を遅らせることができます。

 また、「歯茎が下がりやすい人」にみられる特徴も存在します。

年齢……先述のように、年齢が進むにつれて歯茎などの組織も退化し、萎縮するため、歯肉退縮の原因となります。

生活習慣……喫煙は歯周病リスクを高める習慣なので、結果として歯肉退縮の原因となります。また、正しいブラッシング方法が身に付いていないと、よい口腔(こうくう)環境を保つことができません。

食習慣……栄養バランスの取れた食事ができていないと、免疫力が向上せず、歯茎の炎症を予防するのが難しくなってしまいます。

口腔内トラブルの有無……歯肉退縮の一番の原因は歯周病です。歯周病の人は、早々に治療を開始しましょう。また、先述のように「食いしばり」も原因となるため、歯科医院でマウスピースを作成してもらう必要があります。

遺伝……遺伝により、歯を支える骨が薄いケースがあります。そのような場合は歯肉が後退しやすいです。

ホルモンバランス……思春期、更年期、妊娠中は、ホルモンバランスの乱れから免疫力が低下しやすく、また唾液量が減ることから歯肉炎、歯周病になりやすくなります。

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松村賢(まつむら・けん)

まつむら⻭科クリニック院⻑

奥羽大学⻭学部卒業(医師免許取得)。古川⺠主病院臨床研修終了。東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(⻭学博士)。仙台市内⻭科クリニック分院⻑を経て、まつむら⻭科クリニック開院。地元である宮城県大崎市にて「いつまでもおいしく食べる」を合言葉に、予防歯科に重点をおいた治療を行っている。公式サイト(https://matsumura-dental-clinic.com/)。

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