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新聞が読めない高齢者、長期契約で解約できず…「悪質では」「ひどい」と同情の声、法的には?

不適切な行為の証明は難しい

Q.実際に解約するのは難しそうですね。

牧野さん「契約勧誘時に不適切な行為があった事実を証明することは、勧誘員との会話の録音でもしていない限り難しいでしょう。現実には、解約時のキャンセル料や景品価格の支払いなどが法外であることを主張し、契約の無効を主張することになるでしょう。法外とは、例えば解約手数料として、大して経費がかからないのに月額の6カ月分を請求するなどです。

新聞購読の契約期間中の途中解約は確かに購読者の契約違反です。しかし、不当な違約金の条項が無効になれば、購読者はすでに配達された新聞の代金を支払うことによって、解約することができます。途中解約によって販売店が仕入れる新聞の部数に余りが出た場合は、その損害分も支払う必要が出るかもしれませんが、返品可能であれば損害は発生しないでしょう。購読取りやめの通知がされて以降は、新聞配達店側に損害が発生する可能性は通常低いと考えられます」

Q.トラブルを未然に防ぐために、高齢者本人や周囲の人が注意するべきこととは。

牧野さん「契約期間の定めがある契約は、たとえ契約者が高齢であっても、消費者の都合で一方的に解約できないのが原則です。契約をする前に慎重に考えて、必要なければきっぱりと断ることが大切です。契約に応じる場合も、健康状態や生活環境が変化する可能性などを考慮し、先の見通せる範囲で契約するようにしましょう。また、高額な景品はトラブルの原因になるので、受け取らないようにするのが賢明です」

(ライフスタイルチーム)

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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