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丸山桂里奈と村上佳菜子が大活躍する理由 女性アスリートは美しさから明るさへ

ブレイク芸人や、バラエティー番組の常連になるフレッシュなタレントが少ない今年は、「不作の年」。そんな中、丸山桂里奈さんと村上佳菜子さんという元スポーツ選手2人の活躍が目立っています。

村上佳菜子さん(Getty Images)
村上佳菜子さん(Getty Images)

 今年は例年のようなブレイク芸人がいないほか、バラエティー番組の常連になるようなフレッシュなタレントも少なく、「芸能界にとっては不作の年」と言われています。

 昨年活躍したタレントのテレビ出演が継続される中、気を吐いているのが、元サッカー選手の丸山桂里奈さんと、元フィギュアスケート選手の村上佳菜子さんの2人。

 丸山さんは、「サンデー・ジャポン」「世界さまぁ~リゾート」「アッコにおまかせ」(TBS系)、「しゃべくり007」「一周回って知らない話」「世界一受けたい授業」「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系)、「ダウンタウンなう」「痛快TV スカッとジャパン」(フジテレビ系)などに出演。

 村上さんも、「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系)でMCを務めるほか、「得する人 損する人」「今夜くらべてみました」「ヒルナンデス!」「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)、「サンデー・ジャポン」「有吉ジャポン」(TBS系)、「関ジャム完全燃SHOW」(テレビ朝日系)などに出演。

 どちらも女性アスリートという枠を超えて、さまざまなジャンルの番組に出演しています。

中高年にも好かれる明るく素直なキャラ

 丸山さんと村上さんの共通点は、「日本を代表する選手として国際大会で活躍した」「澤穂希さんや浅田真央さんらスター選手の影に隠れがちなポジションだった」という2点。輝かしい実績を持ちながら、競技トップのスーパースターではないため、リスペクトと親近感の両方を感じさせてくれます。

 たとえばバラエティー番組なら、「アスリートやプロフェッショナルとしての話を聞く」だけでなく、「MCや共演者がイジってもあまり失礼にあたらない」「ぶっちゃけトークを依頼できる」という使い勝手のいい存在。アスリートとしても、バラエティータレントとしても、生かすことができるのです。

 とは言え、これまで女性のアスリートタレントは、元ビーチバレー選手の浅尾美和さん、元バドミントン選手の潮田玲子さん、元シンクロナイズドスイミング選手の青木愛さん、元体操選手の田中理恵さん、元新体操選手の畠山愛理さんら、美人キャラが主流。実際、各芸能事務所は、「美人アスリートのうわさを聞くと素早く視察し、現役時代からタレント活動を持ちかける」というケースがよくありました。

 そんな背景があった中、丸山さんと村上さんの活躍は、「女性アスリートタレントに求められるものが変わってきた」ことを象徴しています。その求められているものは、男性から好かれる見た目の美しさではなく、中高年層にも好かれる明るく正直なキャラクター。近年、テレビ番組の視聴者が高齢化していることもあり、2人のような笑顔や天然ボケの多い気さくなタイプが好まれているのです。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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