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映画「猫は抱くもの」犬童一心監督インタビュー 猫擬人化の難しさと沢尻エリカの魅力

6月23日公開の映画「猫は抱くもの」の犬童一心監督にインタビュー。猫の擬人化の演技指導や、沢尻エリカさんの印象などを聞きました。

犬童一心監督
犬童一心監督

 ドラマ「グーグーだって猫である」などの犬童一心監督の最新映画「猫は抱くもの」。かつて元アイドルのメンバーだった沙織(沢尻エリカさん)は、片田舎でスーパーのレジ係として働いています。彼女が心を開くのは、倉庫でこっそり飼っているロシアンブルーの良男(吉沢亮さん)だけ。沙織は、普段思っていることを良男だけに話し、良男は彼女を守れるのは自分だけだと思い込んでいます。そんな一人と一匹に変化が訪れる、人間と猫の愛情を描いた“猫映画”です。

 オトナンサー編集部では、犬童監督にインタビューを実施。猫の擬人化の演技指導や、沢尻さんの印象、沢尻さんのアイドル時代の設定などについて聞きました。

猫のリアクションを演技指導

Q.原作のどのようなところが面白いと思いましたか。

犬童監督(以下敬称略)「一つは原作で『ねこすて橋』というのがあり、猫を擬人化して面白いシーンが作れるのではないかと、演出家として興味があったこと。もう一つは原作の沙織という女性が40代の女性で、女性が人生にうまくいっていない気持ちが描かれていて、そういうもの自体を映画にすることに興味があったので、ミックスした映画ができないかなと思いました。

うまくいっていなくて置いてけぼりの状態というのは、置いてけぼりだけど、先に進んでいる人よりも後ろの状態がよく見えるので、それまで気付けなかったことに気付けます。うまくいっていない時間を描きつつ、何でもないと思っていたことが良いものだと気付けるシークエンスと、猫を擬人化するビジュアルが映画の中で合わせて表現できます」

Q.実景パート、セットパート、アニメパートの3つが出てきますが、そのアイデアはどうやって出されたのですか。

犬童「舞台セットを使うアイデアは、猫を擬人化しているのでその人たちをねこすて橋の下の河原など実景で演技すると、変な絵になるんですよね。安っぽいし、擬人化した猫と背景がマッチしないというか、世界観がズレると感じました。

セットでリアルなものを作ることは実景の延長線上になるので、普通だなという気持ちもありましたし、セットを作るのもお金がかかります。舞台の設定にすれば、擬人化した猫とマッチングできるんじゃないかと思ったのがきっかけです。周りからは反対されましたが、僕の中では新鮮だし、擬人化した猫ともマッチングしました。

せっかく、猫を擬人化した映画をやっているのに、撮り方がいつもと一緒だったらつまらないし、全員がやったことがないものにした方が、新鮮な気持ちで適度な緊張感を持って作品に挑めるのではと思いました」

Q.吉沢さんはかなり猫っぽかったです。演技指導はどのようにされたのでしょうか。

犬童「吉沢君には僕が具体的に指導しました。僕が猫を飼って14年くらいたちます。吉沢君は猫を飼ったことがなく、猫がどういうリアクションをするかを知らないので、具体的にこういう感じで走っていくとか、手を添えるとか、僕が指導してやってもらいました。吉沢君の中で決めていたのは、その場のリアクションを大事にして、前後に囚われないということでした。

猫もそうなんですよ。テーブルでチーズなどをなめた時に、怒るとするじゃないですか。軽く怒るとソファーに逃げてテレビを見るんですよ。何度も怒ると、呼んでも来なくなります。でも、1時間後には何事もなかったかのようにテーブルに乗ってきます。猫はその場の気持ちが大事なんだという気がします」

Q.沢尻さんは、実際は吉沢さんを相手にしていますが、演技上は猫を相手にしていることになっています。その辺りで何か演技指導されましたか。

犬童「普段は自分の気持ちを押し隠していて、猫には何でも言えちゃうという設定です。普段話さない人が、話せることがうれしいというか、そういうところを吉沢君とのシーンでは出しています。

スーパーでは、人と話していないという描写は特にありませんが、ニュアンスを含ませています。猫と話している演技で、それが出るというか過剰になるというか、そういう感じを吉沢君に対して出してもらいました」

Q.沢尻さんの印象をお願いします。

犬童「沢尻さんは演技がワイルド。スーパーで働いているシーンでは、元アイドルなのに静かな人であり、猫と楽しく会話していくところからだんだん激しい感情が出てきます。そういうシーンになった時に、テンションの高い力強い演技でお客さんを引きずり込むというか、野生的な感じがしました。かわいいなと思わせておいて、強引に引き寄せるみたいな」

Q.沢尻さんを猫に例えるとどんな種類でしょうか。

犬童「沢尻さんは猫じゃないですね。ネコ科だったらチーターとか。捕獲する動物も小鳥などではなく、もっと大きな動物という気がします。パワフルさがあります。それが彼女の魅力だと思います」

Q.沢尻さんのアイドル時代の衣装が青で、右後ろにいる理由を教えてください。

犬童「センターじゃないのは、自分が歌いたいからアイドルになったものの、センターに選ばれないという設定なので、右後ろくらいかなと配置しました。沢尻さんが、実際にグループに入っていたらセンターだとは思います(笑)青の意味は、色が違う5人組にしようと思っていて、後ろなのに目がいくようにあの色になりました」

 映画「猫は抱くもの」は6月23日から全国公開。

(エンタメチーム)

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