どちらも牛乳を使うけど…「ミルクティー」と「ロイヤルミルクティー」は何が違う? メーカーに聞く
「ミルクティー」と「ロイヤルミルクティー」は、何が違うのでしょうか。紅茶メーカーに聞きました。

「ミルクティー」「ロイヤルミルクティー」と書かれた商品を見掛けることがあります。どちらも牛乳を入れて作るようですが、両者は何が違うのでしょうか。そもそもなぜ紅茶に牛乳を入れるのでしょうか。
「日東紅茶」ブランドの製品などの製造・販売を手掛ける、三井農林(東京都港区)経営企画部プロモーション室室長で、シニアティーインストラクターの村野かをるさんに聞きました。
ポットにミルクを追加してから抽出
Q.そもそも、「ロイヤルミルクティー」はどのような飲み物なのでしょうか。「ミルクティー」と何が違うのでしょうか。
村野さん「ロイヤルミルクティーは、ミルクをたっぷり加えた紅茶のことを指します。一般的に、紅茶とミルクの割合が1:1、もしくはミルクの割合の方が多い場合を指すことが多いです。また、『ロイヤルミルクティー』は日本特有の呼び方です。イギリスで好まれた飲み方だったことから、日本でロイヤルミルクティーと呼ばれるようになりました。
通常のミルクティーは、抽出した紅茶にミルクを入れることが多いですが、ロイヤルミルクティーの場合は、最初に濃い味わいの紅茶を抽出し、まだ茶葉が入った状態のポットや鍋にミルクを追加した後、さらに抽出することが多いです」
Q.ロイヤルミルクティーを入れるコツについて、教えてください。
村野さん「ロイヤルミルクティーはミルクを多く入れるので、濃い味わいの紅茶を抽出するのがお勧めです。茶葉も、味わいが濃いものを選びましょう。当社の場合、『ロイヤルミルクティーブレンド』という商品を販売しているほか、『こく味のある紅茶』というリーフティーもロイヤルミルクティーの調理に適しています。
濃い味わいの紅茶を入れるには、以下の3つの方法があります。(1)~(3)のいずれかの方法でもよいですし、組み合わせるのもお勧めです」
(1)茶葉を選ぶ
色も濃く、味わいもボディーがしっかりしたような茶葉がお勧めです。例えば、インドのアッサムであれば、ボディー感もあり、色も赤みのある美しいミルクブラウンを楽しめますし、渋みが強めのウバであれば、キレがありすっきりとシャープなイメージのミルクティーが楽しめます。ミルクティー専用にブレンドされた紅茶を選ぶのもお勧めです。
(2)細かい茶葉やCTC製法の茶葉(茶葉を粒状に仕上げたもの)を使用する
これらの茶葉は、短時間で濃い味わいが出るのが特徴です。ミルクと一緒に抽出する際に、短時間で濃くしっかりとした味わいを出すことができます。
(3)抽出時間を長くする
ストレートで入れるときよりも抽出時間を長くすることで、茶葉の香味をしっかりと強く引き出すことができます。「ストレートでは濃過ぎるかな」と感じるぐらいがお勧めです。
Q.紅茶に牛乳を入れると、味わいはどのように変化するのでしょうか。紅茶に牛乳を入れるメリットについて、教えてください。
村野さん「紅茶の良さは、紅茶ポリフェノールが持つ心地よい渋みと、華やかで甘い香りですが、渋みは好みが分かれるところです。牛乳を加えることで渋みがまろやかになり、コクとなっておいしく感じられます。ミルクの甘みや乳脂肪が加わることで『紅茶』が『ミルクティー』という新しい飲み物に生まれ変わる、私にはそんなイメージがあります。
また牛乳を入れることで牛乳の栄養素も摂取できますし、紅茶ポリフェノールの胃への刺激が緩和されるのもメリットです」
Q.ちなみに、「ミルクティー」は牛乳の他に砂糖も入れると思います。砂糖を使わずに牛乳のみを入れた場合も、ミルクティーなのでしょうか。それとも、違う飲み物に分類されるのでしょうか。
村野さん「砂糖を入れない場合もミルクティーです。従って、ミルクティーもさまざまなバリエーションが楽しめるのです。砂糖の有無でも味わいが異なるほか、砂糖でもグラニュー糖と三温糖とでは風味が違いますし、黒糖だとまた違った味わいが楽しめます。はちみつやメープルシロップなどを加えてもおいしいですね。
砂糖以外にも、私たちの身近な食材であるショウガを入れたり、シナモンやカルダモン、クローブなどのスパイスを入れたりするのもお勧めです」
(オトナンサー編集部)
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