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東日本大震災遺児に“進学の夢”を 返済不要で奨学金「みちのく未来基金」とは

東日本大震災で親を亡くした遺児を支援する「みちのく未来基金」を知っていますか? 高校卒業後、大学などに進学する子どもたちに返済不要の奨学金を給付する活動で、私たちの寄付は全額、“進学の夢”のために使われます。

 「復興には10年以上もの歳月がかかる。復興を成し遂げるのは被災地の子どもたち!」──。2011年3月11日の東日本大震災発生後、このような考え方に基づいて民間企業により設立された「みちのく未来基金」をご存知でしょうか?

 東日本大震災で両親、または、いずれかの親を亡くした子どもたちの高校卒業後の進学を支援する同基金。定員や返済義務はなく、年間300万円を上限に、大学や短大、専門学校など一人一人の進学先に応じて、入学金や授業料などの学費を給付しています。

募った寄付は全額を奨学金に

 同基金は2011年10月、ロート製薬、カルビー、カゴメの3社によって立ち上げられ、同12月に「公益財団法人みちのく未来基金」(仙台市)が設立。2013年からは、趣旨に賛同したエバラ食品工業も運営に参加しています。

 同基金の特徴は、活動に要する経費を運営4社からの寄付でまかない、一般(法人・団体、個人)から募った寄付は全額を遺児への奨学金に充てる「透明性」。同基金を利用して、高校卒業後に進学を果たした学生はこれまで527人に上り、今年は、5期生となる93人が進学しています。この活動は、震災当時、胎児だった子どもたちが大学などを卒業するまで、継続される予定です。

2016年3月に開催された「第5期生の集い」:みちのく未来基金提供

 同基金への寄付は1円から可能で、クレジットカード(1000円以上、基金HPから申し込み、毎月1回など定期的な設定も可能)、銀行振込(振込先は基金HP参照)、現金書留などの方法があります。特定公益増進法人への寄付に当たるため、税制上の寄付金控除の対象になります。

 同基金代表理事の長沼孝義さんは「最後の進学希望者が卒業するまで、四半世紀にわたる長い活動になります。同じ志を持つ多くの人と支援の輪を広げながら歩んでいきたいと思いますので、ご支援をよろしくお願いします」と呼び掛けています。

 公益法人などへの寄付を考えている人は一度、検討してみてはいかがでしょうか?

■「公益財団法人みちのく未来基金」ホームページ
http://michinoku-mirai.org/index.html

(オトナンサー編集部)

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