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福井晴敏さんに聞く 「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」のこれまで、そしてこれから

「愛の戦士たち」に込めた思い

Q.これまで、戦闘機しか出てこなかったと思いますが、第四章から空間機動甲冑(かっちゅう)が出てきましたね。あれはどなたのアイデアでしょうか。

福井「小林誠さんが言い出したことで、面白いと思いました。僕が言い出しっぺなら問題があります(笑)空間騎兵というものを登場させなければいけなくて、彼らを役立てる場面、見せ場が少ないんですよね。船対船になると、船同士がぶつかった後の白兵戦くらいです。それよりは前面に出て戦えるキャラクターにしたいと思いました」

Q.空間機動甲冑でこだわった部分はありますか。

福井「一番気をつけたのは、ガンダムに見えないようにすることです(笑)」

Q.ガトランティス側に「愛ゆえの戦い」みたいなセリフがありますが、それに対するヤマト側の答えも出てくるのでしょうか。

福井「血みどろの答えが出てきます。やっぱり『さらば宇宙戦艦ヤマト』のストーリーも端的に言うならば、『愛ゆえに全員で死んで見せる』という構造です。今の世の中に置き換えると、自爆テロという言葉しか出てきません。当時は特攻の賛辞になるという批判がありました。今はそれよりも端的にテロと結びついてしまいます。

だから、今この時代に『愛の戦士たち』というタイトルでやるのは相当な覚悟が必要でした。あえてタイトルをそのまま持ってきて、このサブタイトルが体現できる物語ができるかどうか、見切り発車で始めましたが、最終のところまでのシナリオが上がった状態で、今現在ではその通りになっています。しかも当時の『愛の戦士』とは意味が違います」

Q.間もなく第五章が劇場上映され、残すは第六章と第七章ですが今後の見どころとを可能な範囲でお願いします。

福井「第五章は起承転結でいうところの『転』くらいです。転じて『結』に向かっていく構成のはずですが、結が見えません。設定はあるし、収束していくカタルシスはありながら、それを裏切る展開になっています。昔の作品を見た人って、衝撃やトラウマに等しいものが埋め込まれています。倒したと思ったら、中から、さらにすごいものが出てくる。あの驚きや絶望感はハリウッド文法でも真似されました。

だとしたら、あの感じを再現しようとしたらどうなるだろうと考え、作っているのが今のヤマトです。ここから先は、当時見た人も驚きの連続だと思います。見ていない人にとっては古臭そうなタイトルに見えますが、最新の洋ドラに比べてもストーリーテリング的に見劣りしないものを作っていますので、一度見はじめたら止まらなくなります」

 映画「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第五章 煉獄篇」は5月25日から公開。

(エンタメチーム)

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コメント

1件のコメント

  1. 無邪気に宇宙戦艦ヤマトの放送を見ていた少年時代。毎回(笑)綺麗に装備されて飛び立ったヤマトが、最後はボロボロになるが勝利して終わる。友情や愛のドラマも子供心に感心して見ていて、自分もそんな出来事が起こるのだろうかと想像したものでした。
    現在に甦った宇宙戦艦ヤマトが単に昔のリメイクであったら、結末がわかっているので、早々に興味は失せていたのかもしれません。
    ですが、このインタビューを拝見し、後半に期待を持たせる話題作りに、自分は期待しています。
    自分は現在に甦ったヤマトや登場人物が傷ついていく映像を見る「トラウマ」を覚悟しつつも、このストーリーやドラマが、今の時代を生きる人々への新たなテーマの創出になることを希望します。
    だって、ヤマトを見て育った自分ですもん。今もヤマト魂を持っていますし、新しいヤマト魂だって自分は受け入れていきますよ!制作者の皆様、どうぞ最後まで良い作品を作り上げてください!