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「角ハイボール」超え確実か サントリー「翠」シリーズ大ヒットの理由は? 開発担当者に経緯も聞く

サントリーが販売する国産ジン「翠(SUI)」と同商品をソーダで割った「翠ジンソーダ缶」の売れ行きが好調です。その理由について、同社に聞きました。

国産ジン「翠(SUI)」と同商品をソーダで割った「翠ジンソーダ缶」(サントリー提供)
国産ジン「翠(SUI)」と同商品をソーダで割った「翠ジンソーダ缶」(サントリー提供)

 サントリー(東京都港区)が製造する国産ジン「翠(SUI)」と同商品をソーダで割った「翠ジンソーダ缶」(2022年3月全国発売)の売れ行きが好調です。同社によると、翠ジンソーダ缶の今年の販売実績は、同社の人気商品「角ハイボール缶」の通年発売初年(2010年)の実績を大きく上回る見込みです。

 ジンといえば、カクテルを作るときの材料として使われるイメージが強いお酒ですが、なぜこれらの商品を開発したのでしょうか。同社スピリッツカンパニー RTD・LS事業部 事業開発部の白村雄太さんに聞きました。

国内外のジン市場が伸長

Q.「翠(SUI)」(2020年3月発売)と「翠ジンソーダ缶」を開発した狙いについて、教えてください。なぜ瓶入り商品だけでなく、缶入り商品も発売したのでしょうか。

白村さん「近年、ジン市場は国内外で大きく伸長しており、居酒屋で食事と合わせて気軽に楽しめる『ハイボール』『レモンサワー』に続く第3のソーダ割りとして、ジンの裾野を広げたいと考えたからです。ジン市場は、リフレッシュメント(気分を爽快にすること)や健康志向などお客さまの『嗜好(しこう)の変化』に合わせて、引き続き伸長していくと考えられます。

翠の発売後、同商品の認知度を上げるだけでなく、『ジンをソーダで割って飲む』という飲み方を広めることで、さらなる伸びしろが期待できると考えていました。そこで、飲食店での一杯に加え、家庭でも気軽に楽しめる商品を提供すべく、2022年3月に『翠ジンソーダ缶』を全国発売しました」

Q.商品のパッケージに描かれている鳥のイラストが気になりました。この鳥の名前や、この鳥をパッケージに採用した理由について、教えてください。

白村さん「この鳥は『翡翠(カワセミ)』です。商品のコンセプトを『日本の食事に合う、ソーダ割りで爽やかな日本のジン』と定め、“爽やかさ”というイメージをネーミングで表現したいと考えました。

そこで、きれいな川辺にしか生息せず、またコバルトブルーの鮮やかな羽を持ち、『清流の宝石』と称されるカワセミを商品に起用しました。また、ネーミングには、『日本の市場にジンを羽ばたかせたい』という思いも込めています」

Q.「翠(SUI)」「翠ジンソーダ缶」の売り上げの推移について、教えてください。

白村さん「翠ジンソーダ缶は、発売初週の実績が2016年以降の当社の新商品では、コンビニエンスストアで最も売れた商品となりました。

2022年4月に当初の年間販売計画である150万ケース(6リットル換算)から250万ケース(6リットル換算)に上方修正し、8月下旬にはすでに250万ケース(6リットル換算)の販売を達成しました。年間では350万ケース(6リットル換算)を達成する見込みで、当社の『角ハイボール缶』の通年発売初年である2010年の販売実績(270万ケース)を大きく上回る見通しです。

また、瓶タイプの翠も、2022年1月から10月の販売実績が28万ケース(8.4リットル換算・前年比66%増)と好調で、翠ブランドがお客さまに評価され、浸透しつつあると感じています」

Q.なぜここまで売れているのでしょうか。考えられる理由について、教えてください。

白村さん「翠は、日本の食卓になじみ深いユズ、緑茶、ショウガの3つの食材を使うことで『食事中に楽しむジン』として、すっきりと飲めるような味わいになるように仕上げています。日本人の味覚に合った味わいを実現していると言えます。

翠ジンソーダ缶の発売にあたっては、瓶タイプの翠を飲んだときと同じ香りの感じ方やおいしさが体感できるよう、原料の配合を変えました。また、爽やかな見た目のパッケージも人気です。そういった点が性別問わず、好評をいただいている理由だと考えています」

Q.「翠(SUI)」と炭酸水を混ぜるときの適切な割合について、教えてください。また、どのような食材を加えると、よりおいしく飲めるのでしょうか。

白村さん「『1(翠):4(炭酸水)』で作る“翠ジンソーダ”がお勧めです。また、すりおろしのショウガやユズの果汁、大葉、梅干し、山ワサビなど、和の食材を加えてアレンジしてもおいしくお楽しみいただけます」

Q.「翠(SUI)」「翠ジンソーダ缶」は、どのような食べ物と相性がよいのでしょうか。

白村さん「ポテトサラダや唐揚げ、焼き鳥など、居酒屋の料理との相性が抜群です。ぜひ、普段のお食事と合わせて楽しんでいただきたいです」

(オトナンサー編集部)

【試してみて!】「翠」と炭酸水を混ぜるときのベストな割合は? サントリーが伝授

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