便利な「フッ素樹脂加工フライパン」、調理後すぐ水をかけるのはNG? 正しい使い方をメーカーに聞く
フッ素樹脂加工フライパンの正しい取り扱い方法について、調理器具メーカーに聞きました。
「焦げが付きにくい」「食品がこびりつきにくい」などの理由でフッ素樹脂加工のフライパンが人気ですが、ネット上では「調理直後のフッ素樹脂加工のフライパンに水をかけるのはよくない」といった情報があります。本当なのでしょうか。また、食器洗い乾燥機やブラシで洗っても問題ないのでしょうか。
フッ素樹脂加工フライパンの取り扱い方について、小型家電と調理器具のブランド「ティファール」を国内で展開するグループセブ ジャパン(東京都港区)の広報担当者に聞きました。
急激な温度変化に弱い
Q.そもそも、フッ素樹脂加工のフライパンは普通のフライパンと比べて、どのような点が優れているのでしょうか。
担当者「調理中は食材がこびりつきにくく、調理後は汚れが落ちやすく、手入れが簡単という点で優れています。こびりつきにくいので、調理時に使う油は少量で問題ありません。なお、空だきはフライパンのコーティングを傷める原因になるため、行わないでください」
Q.油汚れを流そうとつい、調理直後のフッ素樹脂加工フライパンに水をかけてしまいますが、よくないのでしょうか。また、お湯であれば、かけても問題ないのでしょうか。
担当者「フッ素樹脂加工フライパンは急激な温度変化に弱いです。例えば、熱したフライパンに水をかけると急激な温度変化により、フライパンのコーティングが傷みます。調理直後のフライパンに水はかけないでください。また、お湯をかけるのも避けた方がいいでしょう。熱いもの同士とはいえ、調理直後のフライパンは200度ほどある一方で、お湯は最高100度ほどで急激な温度変化が生じるからです。
また、急激な温度変化により、コーティングが傷むだけでなく、フライパンの底面が変形する可能性もあります。その場合、調理時に熱が食材に均等に伝わらなくなり、焼きムラが出てしまいます」
Q.フッ素樹脂加工フライパンについた油汚れを、きれいに落とすためのコツはあるのでしょうか。例えば、調理後、時間が経過したフライパンには表面に油がこびりついていますがその場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
担当者「調理後は熱が自然に冷めるのを待ちます。完全に冷めない程度にフライパンの温度が下がったら、中性洗剤を付けた柔らかいスポンジで油汚れを落とします。その後、流水でよくすすぎ、水気をしっかりふき取って保管してください。もし、汚れがこびりついた場合は、しばらく、ぬるま湯につけてから洗うとよいでしょう。洗うときは漂白剤や塩素系洗剤は使用しないでください」
Q.フッ素樹脂加工フライパンを洗う際、食器洗い乾燥機やブラシを使ってもいいのでしょうか。
担当者「製品によって異なります。当社の場合、取っ手付きのフライパンは基本的に食器洗い乾燥機を使って問題ありません。また、取っ手が取り外し可能な製品の場合、フライパンとソースパンが食器洗い乾燥機に対応しています。専用取っ手も対応しているのですが、製品を長持ちさせるために手洗いをおすすめしています。
本体がアルミニウム製で、底面に銀色の金属部分がある製品の場合、食器洗い乾燥機を使うことで銀色部分が黒く変色する場合がありますが、製品の機能には影響ありません。
なお、手洗い時にブラシなど目の粗い物を使うとフライパンのコーティングを傷めます。ブラシは避け、先述のように柔らかいスポンジで洗ってください」
Q.フッ素樹脂加工フライパンは何年ほど使えるのでしょうか。寿命だと判断する目安はありますか。
担当者「使用頻度や使用状況によって異なります。例えば、油を引いて調理しても食材がこびりつくようになったら、フッ素樹脂加工の性能が落ちているサインです。『食材がこびりつきやすくなった』『フライパンのコーティング下の金属が見えている』といった状態になったら、買い替えを検討するとよいでしょう。使い方やお手入れに少し気を付けるだけで寿命が長くなります」
(オトナンサー編集部)
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